Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University

Back to Top

Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 32
published_at 1983-01

Effect of the Mental Practice on the Learning Motor Skill. : A Review and Discussion

運動技能学習に及ぼすメンタルプラクティイスの効果 : 概観ト討議
Okamura Toyotaro
Descriptions
運動技能学習に及ぼすメンタルプラクティス(Mental Practice.以下MPと略す)の効果に関する研究は運動学習における連合理論の後退と認知論的モデルヘの関心の高まりを背景にして,今日盛んに行われてきている。本論文は,主として米国と日本の文献に基づいて,運動技能学習に及ぼすMPの効果に関する研究の実態を明らかにし,今後に残された問題を探ることをねらいとしている。まず最初に,MPに関する研究の歴史的概観を行い,その後,運動技能学習に及ぼすMPの実際的効果,この効果を規定する方法上の条件,MPに関する説明仮説について述べる。そして,最後に今後明らかにされる必要のある研究上の問題について言及してゆきたい。MPは,観察可能な身体的練習をすることなく,課題遂行のイメージを想起して練習する方法である,これは,用語が相当混乱しており,Symbolic Rehearsal(Sacket,34)1934) Imagery-Practice(Perry.27)1939),Implicit Practice(Morrisett,25)1956),Conceptualization(Egstrom13)1964),Covert Rehearsal(Corbin,9)1967a),等と研究者によって異なった名称で呼ばれている。我国では,メンタルトレーニング(藤田,74)1974),イメージトレーニング(勝部,69)1980),イメージリハーサル(猪俣,57)1980)等と呼ばれているが,本研究では,近年,米国で最も多く使用され,一般的になりつつあるMPをphysical Practice(以下,ppと略す)に対する用語として使用する。