本稿では,2012年7月より行われた山口大学日本語・日本文化サマープログラムに参加した日本人チューター学生の終了時アンケートを基に,学生交流の当事者であるチューターが①留学生との交流をさらに進めるために必要と考える改善点,また②実際に交流を行って感じたこと,特に異文化理解や国際交流について考えたことを調査・分析し,プログラム改善の手がかりとなることを目的とする。結果として,①については(1)開始後早い時期にできる限り全員参加可能なイベントなどで交流を実施すること,(2)個人で自主的に行える交流の具体的なアイデの例,および(3)チューター制度やチュートリアルの方法などについてのいくつかの提案があり,②については,留学生の積極的な学習姿勢や語学力への驚き,今後の語学学習等への意欲や希望を述べる記述,チューター同士も含めた交流を通じて得られた経験の貴重さや自身の姿勢や考え方に関わる言及が多く見られた。本調査で得られた結果を生かし,今後のプログラム改善に役立てて行きたい。