Tethigella viridis L_<INNE> オオヨコバイとその卵寄生蜂群の両者の動態並びに相互関係を明らかにする研究の一環として,オオヨコバイの卵寄生蜂の種類組成と季節消長を調査した。1983年1月から1984年9月までの期間,山口市の山口大学農学部附属農場のクワ畑で,クワと下草を対象に定期定量すくい取りを実施したほか,クワ,イグサ,イタリアンライスグラスとイヌビエに産付されていたオオヨコバイの卵塊を採集し,次の結果を得た。1. 調査したオオヨコバイの卵から羽化した卵寄生蜂は次の2科6種であった。 Mymaridae ホソハネヤドリコバチ科 Gonatocerus cicadellae N_<IKOLSKAYA>, Anagrus sp. A, Anagrus sp. B Trichogrammatidae タマゴヤドリコバチ科 Oligosita krygeri G_<IRAULT>, Oligosita sp., Paracentrobia andoi (I_<SHII>) トビイロウンカタマゴバチ このうち, G. cicadellae と O. krygeri 以外の種はオオヨコバイの卵寄生蜂としては日本から初めて記録された。これら6種のうち, G. cicadellae と O. krygeri の2種が優占種であった。また Anagrus spp. (A,B) は共寄生であったが,その他の主は単寄生であった。(以下,略)