Bulletin of the Faculty of Agriculture, Yamaguchi University

Back to Top

Bulletin of the Faculty of Agriculture, Yamaguchi University Volume 24
published_at 1973

Susceptibility of Gecko to Japanese B encephalitis Virus I

ヤモリの日本脳炎ウイルス感受性について 第1報
Toda Mitsuyoshi
Kanoe Masamitsu
Matsuo Kazuo
Sasaki Koji
Sato Akio
Descriptions
アメリカにおいてWEEおよびEEEウイルスの越冬に爬虫類が主要な役割を果しうるとの報告がなされ,一方わが国では土井らがトカゲやカナヘビが日本脳炎ウイルスに感受性があり,越冬の役割を果しうる可能性のあることを報告した。著者らは日本脳炎ウイルスの越冬の役割を果しうるかどうかを検べるのを最終目的として,まづ山口市湯田温泉周辺で捕獲したヤモリに日本脳炎ウイルス(中山株)を実験的に接種した場合の感受性につき1969年以来研究を重ねてきた。その研究の結果明らかとなった実験成績は大要次のとおりである。1.ヤモリは日本脳炎ウイルスに感染する。ただし不顕性感染の形をとる。2.日本脳炎ウイルスを接種したヤモリの臓器からウイルスが回収され,またウイルス血症が出現する。3.出現したウイルス血症は飼育温度が25℃の場合最も長く続き,最高21日間認められた。この場合の血中のウイルス力価はLD_<50>で10^<-3.0>-10^<-3.5>であった。4.飼育温度を25℃より10℃へ移動させるとウイルス血症は早期に消失する。5.ウイルス接種ヤモリに病理組織学的に日本脳炎ウイルスによると思われる明らかな変化は認められない。