Journal of East Asian studies

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Journal of East Asian studies Volume 3
published_at 2004-12

Economic development and industrial location in Malaysia : domestic product cycle hypothesis and its test : 1947~2000

マレーシアにおける経済発展と産業立地 : 国内的プロダクトサイクル仮説と検証 : 1947~2000年
Kokubun Keisuke
Descriptions
本稿の目的は、開発途上国研究に適合的な産業立地論に関する新しい仮説「国内的プロダクトサイクル仮説」を提示し、これを検証することを目的とした。そのため、「民族間格差の是正と貧困の撲滅」を達成すべく、産業の分散化を開発の主要テーマに掲げ、工業化による経済発展を遂げてきた開発途上国の好事例であるマレーシアを対象に、1947年から2000年にいたる期間の立地構造の展開を州レベルで産業別に集計した人口センサスのデータを利用して分析を行った。具体的には、製造業立地の変化に関する発展段階的な仮説を「素材産業」と「加工組立業」について別々に提示し、これを検証した。すなわち、素材産業については、当初は製品の主要な供給先である関連産業の近隣に立地する(第1段階)。後に技術の標準化によって、また輸出向け生産の拡大によって関連産業の相対的な重要度が低下するに及んで、地方分散化を伴う持続的な発展が起こる(第2段階)。やがて諸々の理由によって低迷期を迎えると、企業の関心は新しい生産方法へと向かい、再び技術は非標準化され、当該産業の企業同士で地理的に近接して立地することが重要になる(第3段階)。また加工組立業については、産業発展の初期には、海外から導入された技術を求めて互いに近接して立地する(第1段階)。後に技術の標準化に伴って生産が拡大すると、しだいに企業の関心は品質の向上へと向かい、関連産業の近隣に立地することが重要になる(第2段階)。やがて諸々の理由によって低迷期を迎えると、企業の関心は新しい生産方法へと向かい、再び技術は非標準化され、当該産業の企業同士で地理的に近接して立地することが重要になる(第3段階)。重回帰分析はこれらの仮説を支持する結果を見せた。