本稿は、企業資源およびトップ・マネジメント・チームの特質などに関する変数に基づき、進出タイミングに焦点を当てて企業の海外進出の決定要因を明らかにすることを目的とする。台湾電子・電機産業の上場・店頭企業の中国投資案件を研究対象として分析した。主な分析結果は、次のように要約できる。(1)「企業の戦略的資産と投資先国環境との適合度」が高い台湾企業は、中国進出のタイミングが早いことを示している。(2)「一般的国際経験」が多い台湾企業は、中国進出のタイミングが早いことを示している。(3)「トップ・マネジメント・チームの平均的な国際経験」が多い台湾企業は中国進出のタイミングが早いことを示唆している。(4)「トップ・マネジメント・チームと中国政府要人との関係が良好」である台湾企業は、中国進出のタイミングが早いことを示している。