Journal of East Asian studies

The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university

PISSN : 1347-9415
NCID : AA11831154

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Journal of East Asian studies Volume 20
published_at 2022-03-01

Construction of a human body model of traditional Chinese medicine by taking into account of qi, blood and fluid

気・血・津液を考慮した東洋医学の人体モデルの構築
Gan Quan
Wu Ren
fulltext
3.58 MB
東アジア研究_第20号_005.pdf
鍼灸治療は副作用が少なく未病や難病に効果があるとされ,WHOにも認められており今や世界中に広まっている.しかしながら,その治療は未だ経験的・臨床的に行われていることが多く,治療の仕組みや過程が科学的されていない部分が多い.そのため,現代の西洋医学および科学技術的な観点を取入れた客観的・統一的な研究方法や評価基準の確立が求められている.一方,システムの構造と動作の両方を表現・解析できるモデリングツールであるペトリネットは,生命システムのモデル化や解析に広く応用されており,生物情報学の分野でも多くの成果を上げている.本論文では,我々が高水準ペトリネットであるカラーペトリネットを用いて,鍼灸治療に向けの人体モデルの構築法を提案する.このモデルは,気・血・津液を取り入れ,臓腑間の影響を東洋医学の五行説および臓腑の表裏一体関係に基づいて数値的に表現することで構築される.それによって,鍼灸治療の仕組みや過程の解明に向けての客観的な分析手段を提供することを目指す.まずは,東洋医学における気・血・津液の化生・輸送の過程および臓器の新陳代謝を分析したうえで計算式を考案し,カラーペトリネットを用いたモデルの構築法を提案する.次に,五臓間や臓腑間の並行的・逐次的な働きを表すために,モデルへの補助要素の加え方を提案する.最後に,臨床で有効と検証された鍼灸治療法のシミュレーションを行い,モデルの妥当性を検証する.
Creator Keywords
東洋医学
鍼灸治療
ペトリネット
人体モデル
シミュレーション