A Study of College Community (I) : Social Structure and Value Orientation

カレッジ・コミュニティの研究(I) : 社会構造と価値志向

Yano Hiroshi

About This Article

Descriptions

パーソナリティ構造はその個人が所属する社会集団の構造と対応して分化されうる。この視角に立てば,カレッジの社会化機能は,その構造的特性の解明をまって把握される。カレッジは或る観点からみると,フォーマルな,官僚制の組織体であり,同時に教員と学生の,そして学生相互のインフォーマルな親密な関係,小集団の集合体である。また他の観点からみるとそれは現代社会が要請する「合理的な行為遂行」の能力に富む人材を産出するきわめて合理的に規定された「教員と学生の関係」を制度化したものであり,しかも若者の表出的欲求を充足する若者の結合のセンターでもある。このカレッジ構造の特性がその社会化過程にどのように関連するか,そしてそこでいかなる価値志向が形成されるかが本稿の課題である。こんにちカレッジは学校体系のなかに融合される傾向にあるし,また学生の教育機関での社会化は小学校からはじまり,その社会化過程に連続性が認められるので,公立学校体系も併せて対象とする。

All Journal Index