Fertilizer INPUTS Project による試験研究の第2回検討会において計画された設計に基づいて,水稲に基肥として深層点状施肥された urea supergranule (USG) と peat ball (PB) の効果を調べる圃場試験が,1978年に山口大学農学部付属豊場(山口圃場)と九州大学農学部付属農場(福岡圃場)で行われた。得られた結果は以下のとおりである。1. USG を深層点状施肥する基肥単施法は,尿素を表面散布-混合する分施法に比べて,水種の窒素吸収,ひいては生育が優る結果を与えた。玄米収量についても,前者は6-9%高い結果を福岡圃場で示したが,山口圃場においては,わずかながらかえって低い結果が得られた。2. 上記2種の施肥法に共通して,N施肥量92kg/ha までは,施肥量の増加についてほぼ直線的に収量は増加した。そして福岡圃場ではこの窒素施肥量で最高収量を示したが,山口圃場では,132kg/ha でさらに増収した。(以下,略)