日本産のトリバガ科3種の幼生期の形態を記載した。この中2種は園芸害虫として知られていたもの,或は今回害虫として新たに報告するもので,残る1種も今後園芸作物への動向が注目される種であるが,いずれも幼生期については従来報告がなかったか,或はごく簡単な記述しか見られなかったものである。1. Deuterocopus socotranus R_<EBEL> タイワンシラホシトリバ 沖縄(石垣島)以南に分布する種で,沖縄における食草はリュウキュウガネブであろうと推定されていたが(Y_<ANO>^<9)>),今回同植物上から幼虫,蛹が採集された。幼虫,蛹の形態は同属の D. albipunctatus F_<LETCHER> シラホシトリバに酷似するが,幼虫では大腮,蛹では胸腹部背面の2本の隆起条の形状により区別される。寄主植物は現在のところ野生植物であるが,近縁種の食性などよりブドウ類への動向に今後注意を向ける必要がある。(以下,略)