Journal of cross-cultural studies

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Journal of cross-cultural studies Volume 15
published_at 2021-03-31

A study of correspondence in contemporary Japan

現代日本における文通に関する一考察
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1.43 MB
C120015000006.pdf
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本研究は、匿名での文通相手募集を仲介するサイト「文通村」における文通相手募集文の計量テキスト分析を通して、現代日本において文通がどのような機能を有しているのか考察するものである。結果、第1に、文通相手を募集する人々の中にも趣味による細分化が存在し、各趣味はある程度相互排他的に存在すること、第2に、従来手紙の機能として指摘されてきたものが「文通村」の利用者においても重視されていること、第3に、「文通村」の利用者は、文通相手を募集する際に相手の性を意識する傾向があり、しかもそれが募集する側のジェンダーに規定されていることも見えてきた。この第3の点は、従来の研究においては指摘されなかった点であり、本研究で新たに得られた知見であると言えよう。従来文通は、少なくとも表向きは、異性との出会いを提供するツールとしての役割はそれほど大きいものではなく、むしろ性を含めた属性を不問として多様な相手とやり取りをすることを目的とするツールであった。一方現代的な文通は――少なくとも特に「文通村」の男性利用者においては――、異性とのマッチングツール的な機能を帯びるに至っている。