Journal of East Asian studies

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Journal of East Asian studies Volume 5
published_at 2007-03

Developmental study on parent-child relationship between Japanese and Chinese children

中国と日本における親子関係の発達的変化
Luo Lianping
Descriptions
近い国といわれる中国と日本においては、その価値観、歴史観、文明観、人生観など、多くの側面において異質な様相を示すことが指摘されている。こうした個人の行動傾向や人格形成には、親子関係のあり方が大きく影響を及ぼしていることが示唆されている。本研究においては、独特の文化的背景を持つ親子関係の実態について中国と日本を比較検討することにした。小学生、中学生、高校生を対象として親子関係の実態及び発達的変化について分析を試みた。結果として中国と日本の親子関係に以下のような特徴があることを明らかにした。(1)中国では両親が共に子育てに関わり、日本では母親を中心とした子育ての傾向がある。(2)子どもへの接し方についての考え方に、中・日両国における両親間に大きな差異はみられない。(3)中国における養育態度においては、子どもに対する厳しさも甘さも共に男子の方に対して高い傾向が認められた。一方、日本においては男子にやや厳しく女子に対して甘いという結果であった。(4)子どもの発達に伴う養育態度の変化においては両国間に差異がみられ、中国では発達とともに親の子どもへの働きかけが全般的に減少している。しかし、基本的態度、厳しさと甘さのバランスは各発達段階を通して顕著な変動はみられない。一方、日本では、特に厳しさにおいて中学生に対して高校生・小学生に対するよりも働きかけが多くなっている。(5)全般的にみると、中国の親の方が子どもに対して関わりが多く、様々な面において子どもの生活に関心を示している。