公衆衛生上のいくつかのテーマについて,多変量解析・数量化理論による分析を試みた。特に,定量データのカテゴライズについて,これらの定量データを林の数量化理論に適用する場合の妥当性を検討するために,まず数種の基準を設定して,序数尺度に変換をして検討を行ない,次の結果を得た。1. すべてのアイテムが定量データの場合,これらを序数尺度に変換し,数量化理論の適用を試みた。その結果,I・II類では,サンプル数に対して,カテゴリー数を無限に多くすることができ,操作的に,重相関係数・相関比が1.0となることが示された。また,このことは,名義尺度・序数尺度についても,多分類となるようなアイテムを選択することによって,同じく,1.0を得る可能性が指摘された。したがって,I・II類についても,重回帰分析・判断分析と同様,変数増減法を導入する必要が示唆される。しかし,アイテム及びカテゴリーの両方について,二重に変数増減法を適用しなければならない困難性が,課題として残された。III類では,カテゴリーを4分類とした場合に,パターン分類が困難となることが示されたが,主成分分析・因子分析については,極めて有用であることが示された。(以下,略)