1. 無機の亜鉛,カドミウム,水銀のマウス生体内移行,分布,残留,排泄について,放射性核種の ^<65>Zn, ^<109>Cd, ^<203>Hgを用いて,おもに全身オートラジオグラフィイにより比較検討した。2. 経口的に摂取された ^<65>Zn, ^<109>Cd, ^<203>Hgの大部分は糞中に排泄され,消化管からの吸収は少なかった。3. 体内に吸収されたものは,おもに ^<65>Znは膵臓および肝臓, ^<109>Cdは肝臓および腎臓, ^<203>Hg腎臓および肝臓に分布した。4. おもに肝臓,腎臓,膵臓に集積された ^<109>Cdは,その部に長く留まり,体外への排泄は少なかった。5. ^<65>Znは比較的よく胎盤を通過したが, ^<109>Cdはほとんど通過しなかった。 ^<203>Hgは両者の中間であった。 (昭和52年6月30日受理)