Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University

Faculty of Education, Yamaguchi University

PISSN : 2433-3670
NCID : AA12810513

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Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
published_at 2024-01-31

Discovery of dialect type PA#2? : morphophonological phenomena on the Te-Form verb in the Tsushima and Iki dialects of Nagasaki Prefecture

方言タイプPA#2の発見? : 長崎県対馬・壱岐方言の動詞テ形における形態音韻現象
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1.65 MB
教育学部_研究論叢-第73巻_017.pdf
本稿の目的は,長崎県対馬・壱岐の4方言を対象とし,そこに起こるテ形音韻現象を記述することにある。さらに,対馬の佐護方言で発見された新たな「方言タイプPA#2」があり得る方言タイプであるかどうかについて検証していく。まず,対馬の佐護方言においては,新たな方言タイプのほかに,方言タイプTGが見られている。また,対馬の豆酘方言では方言タイプPAが観察される。同じ対馬に,同じPA系が分布していることは,「方言タイプPA#2」を仮定できる証拠になる可能性が高い。また,地理的分布の考察からも,壱岐方言をはじめ,近隣に類似の方言タイプが分布することから,その仮説がさらに支持できることになる。「方言タイプPA#2」の発見は,従来から仮定されている方言タイプPAにもさらなるバリエーションがあることを示すものである。今後,テ形音韻現象のより詳細な分類が求められる。