Bulletin of Clinical Psychology Service Center, Graduate School of Education, Yamaguchi University Volume 12
published_at 2021
本研究の目的は,文献をもとに「育児困難感」と「育児不安」の用語の整理を行い,今後の支援に繋げる視点を得ることである。検討の結果,「育児困難感」は,実際の母親を取り巻く要因の中で,母親が子どもと対峙することで「母親自身が困っている」状態を示すものと考えられた。また「育児不安」は「育児における漠然とした不安」であり,疲労感や抑うつ状態が生じる可能性や,具体的な対象や問題がない場合でも生じることが考えられた。また「育児困難感」は「相手(子ども)への感情」であり,「育児不安」は「母親自身の不安」であり,2つは質的に異なると考えられ,「育児困難感」と「育児不安」の高低をもとに,5つのタイプに分類を試みた。
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