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本稿は、低学年「生活」教科書をもとに、台湾における環境教育カリキュラムの構造を明らかにしようとしたものである。環境問題は、一国にとざされたものではなく、地球的課題としてどのように向き合うのかという「グローバル教育」の地平線にたって実践的可能性を模索しなければならない。しかしながら、小学校低学年の場合、冒頭からグローバルな空間認識のもとで実践を展開させていくことは難しい。ここで有効となり得るのが国際的な比較研究であり、台湾は日本と同じく低学年に「生活」があることから、「生活」教科書にあるプラスチックごみの削減を題材とした単元を取りあげ分析することで、比較カリキュラム論として国際的な参照軸から実践的可能性の展望を見出すことができる。
Creators : Yamashita Daiki Shojima Akiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
温泉水には様々なイオンが含まれており、温泉地によって成分や含有量が異なっている。それらには当然金属イオンも存在しており、温泉地によってその金属イオンの種類や含有量が異なっている。したがって、この温泉水を草木染の媒染に役立つ可能性があり、温泉水の種類(温泉地)によって異なった色味を出せることが期待される。そこで本実験では、山口県内の10か所の温泉水を利用して草木染を行い、その色味の変化をみた。結果は期待していたほどの色味変化はなく、ほぼ草木の色素そのものに近い色であった。これは、他県に比して山口県は温泉地が多いが、その主成分はナトリウムやカルシウムで、それ以外の成分はごく微量であること、ナトリウムイオン、カルシウムイオンは今回使用した色素に対して、それほど色味変化を伴わないためと考えられる。
Creators : Hoshino Hiroshi Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
特別支援学校中学部に在籍する自閉スペクトラム症のある生徒に対して、自発的なハイタッチ行動の形成とその効果を検証することを目的とした。特定の活動終了直後に目の前に五指を開いた手が差し出されることでハイタッチ行動が生じていた生徒に対し、①「イエイ」や「ヤッター」などの音声言語、②研究実施者が差し出す手の位置、③研究実施者が差し出す手のひらの形(「グー」か「パー」)の3つのプロンプト組み合わせて段階的に提示したところ、これらのプロンプトがなくても特定の課題終了後に自発的にハイタッチ行動を生起するようになり、それが別の場面にも般化した。自閉スペクトラム症の生徒に対してハイタッチ行動のような非言語コミュニケーション行動を形成するための手段について考察した。
Creators : Ono Takafumi Suto Kunihiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では、特別支援学校に在籍する知的障害のある中学部生徒に対し、美術科の段階を基にした実態把握を行い、段階に応じた目標設定と指導内容を選定した上で「振り返りシート(生徒用)」を作成・活用した美術科授業実践を行った。授業の中で定期的に振り返りながら、表現及び鑑賞の活動に取り組むことで、表したいイメージがどのように変容したのか、記入文字数や発表場面での発語数と共に質的内容について分析した。「振り返りシート(教員用)」も作成・活用することで、教員の評価も授業改善や指導・支援に生かすことをめざした。 その結果、実態の異なる生徒それぞれが「振り返りシート」に提示された問いを視点に、造形的な見方・考え方を働かせながら、表したいイメージを具体化させ、学びを深めていく姿を確認することができた。このことから、「振り返りシート」が断片的になりがちな知的障害のある生徒の思考まとめることに有効に機能したことが推測された。
Creators : Nishimura Emi Kitamura Takuya Suto Kunihiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
「Well-beingにつながる学び」を意識して実施された小・中学校の社会科の授業を授業者・研究者で相互に考察した結果、社会科で蓄積されてゆく「思考・判断」の内実が明らかになってきた。それは、「個別的部分的」なことと「一般的全体的」なことを相互に関係付け、前者から後者への一方通行にならず、一般化への動きに抗して個別の固有性をとらえてゆく思考、「時間軸」を立て、社会の動きを長期的・短期的と多層的にとらえてゆく思考、社会の動きに対して「決定論」「人為論」の両極に寄らず、「可能論」の視座でとらえてゆく思考、の3点である。この3点は今日の社会科授業やカリキュラムのあり方に大きな意味をもち、この観点からの授業やカリキュラムが開発されてゆく必要がある。
Creators : Yoshikawa Yukio Chijimatsu Tetsuhiro Yoshioka Tomoko Ikeda Kanta Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では、第6学年の国語の「海の命」において「なぜ、太一はクエ(瀬の主)にもりを打たなかったことを生涯だれにも話さなかったのだろうか」について話し合う授業を実践し、「授業者と児童の発話の記録」、また、「児童の考えとその考えを支持する児童の人数」を小学校の教員(授業者,参観者,不参観者)に示して知らせ、その解釈について知見を得た。前者を解釈した教員の記述には、授業の反省点、授業の改善点、授業展開の妙、話し合いの妙、児童の発話に関する見取りが示されていた。後者を解釈した教員の記述には、児童が支持する考えの増減をもとにした見取りが示されていた。
Creators : Saiki Hideto Fujimoto Moeka IKENAGA Ayumi Isobe Hiroaki Ono Masahiro Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では、第6学年の国語の「海の命」において「なぜ、太一はクエ(瀬の主)にもりを打たなかったのだろうか」について話し合う授業を実践し、「授業者と児童の発話の記録」、また、「児童の考えとその考えを支持する児童の人数」を小学校の教員(授業者,参観者,不参観者)に示して知らせ、その解釈について知見を得た。前者を解釈した教員の記述には、授業の反省点、授業の改善点、児童の発話に関する見取り、授業展開の妙が示されていた。後者を解釈した教員の記述には、児童が支持する考えの増減をもとにした見取りが示され、また、授業の改善点、推察した児童の考えが示されていた。
Creators : Saiki Hideto Fujimoto Moeka IKENAGA Ayumi Isobe Hiroaki Ono Masahiro Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
品詞をどう特定するかは議論のあるところである。基本的な文法を学ぶ際、この単語は名詞、これは動詞と、単語に貼り付けられた特徴のように教えられるし、そうした品詞分類は言語現象を理解するには有効である。しかし、実は、品詞を決定する基準は必ずしも明白ではない。辞書での記述も一つの語に複数の品詞が示されていることは多い。英語の歴史的背景からいえば、形態的特徴、統語的特徴いずれからも捉えることができ、複雑である。ただ、実際の使用においては、言語使用者は、英語の歴史とは関係なく、自分の知識の範囲で自分の知っている語彙を駆使するのである。その点で、品詞転換という現象は、言語使用者の創造的な活動という捉え方もできる。本稿は、主に共時的観点から、小説の言語にみられる品詞転換の現象を記述し、それがどのような文体的効果をもたらすかを明らかにする。一語レベルにとどまらず、句や節が文中で果たす役割も含めて分析を試みるものである。
Creators : Matsutani Midori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Creators : Horike Yoshitsugu Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Creators : Horike Yoshitsugu Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
第1として、重度・重複障害等を有する生徒の衣生活に関する意識調査を行った。その結果、生徒は自分の着る服を自身で選ぶことは少なく、保護者が選んだ服を受動的に着ていることが明らかになった。第2として、生徒の衣生活への関心を高めさせることを目的に、文化祭にてファッションショーを実施した。事後アンケートから、出演した生徒は着装を人に褒められることから自己有用感を高め、また観客となった生徒や保護者、教員には衣服指導への理解が高まったことが示された。第3として、シミュレーションソフトを用いて衣服の色やコーディネートを画面上で生徒が選び、意見を述べ合う学習指導を行ったところ、色彩や組み合わせの知識が豊かになることで、衣服を主体的に選択しようとする意欲が高まった。これらから、生徒の余暇や卒業後の衣生活を念頭に置き、衣服の選び方、着装の知識を指導していくことが生徒のQOL(生活の質)を向上させると推察された。
Creators : Yamamoto Reiko Matsuda Nobuo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
イザベラ・バード(1831~1904)はイギリスの探検家で、明治11年東京を起点に日光から新潟へ抜け、日本海側から北海道に至る北日本を旅した。その旅が記したものが「日本における人跡未踏の道」という回想録である。本論文では、「日本における人跡未踏の道」を分析することで、バードの日本旅食生活を明らかにした。
Creators : Senneck Andrew Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究は、保育者が子どもの育ちや保育の過程を言語化して他の保育者と共有し、「子どもにとってどうか」という視点から保育を検討するために、どのような園内研修に取り組むとよいか検討した。保育園のクラス主担任保育者を参加者とした園内研修に取り組んだ結果、以下の内容が効果的であった。1.「子どもの主体的な遊び」をテーマとし、同じ参加者で継続的に取り組む、2.日々の保育をもとに書いたエピソード記録を取り上げる、3.エピソード記録を書いた保育者の問題意識をふまえた話し合いをする、4.SOAPの視点や「具体化を促す問い」を意識して取り組む、5.園内研修後に毎回ポートフォリオ記録を書く。園内研修に参加した保育者間で共有したことを、同じクラスの担任保育者とも共有するための方法の検討が、今後の課題となった。
Creators : Nakashima Hisako Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本稿は、陳軫の「蛇足故事」及び「管与の説」「卞荘子が虎を殺した話」という三つの故事がそれぞれ「戦国故事」においては寓話として機能していることを確認したうえで、陳軫の「管与の説」「卞荘子が虎を殺した話」と同じ「強者同士が闘い合うと、ともに疲弊して第三者の餌食になる」という筋立てをもつ寓話や比喩の使用例が説客の弁論中に複数見られることなどから、説客が用いたこれらの秀逸な比喩表現には、合従・連衡の外交戦略をめぐる弁論が盛んに行われた戦国中期の時代性の刻印が認められることを述べる。さらに、戦国中期の説客の「揣摩」の術(君主の本心を推し当てながら、君主を奮起させる弁論術)の核心は名声と実利の両面を同時に満足する計略を提案するところにあり、弁論中での比喩表現の使用は君主が計略を聞いて納得するための下地を作る意味があったことを述べる。最後に、以上の考察にもとづいて、故事成語の由来と意味を研究する際の留意点を述べる。
Creators : Nambu Hidehiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究の目的は、書字に困難を抱える特別支援学校小学部に在籍する児童を対象に、書字の代替としてフリック入力の指導を行い、その効果を検討することであった。対象児は、特別支援学校小学部に在籍する知的障害を伴う広汎性発達障害のある5年生児童1名であった。個別学習の時間に、ポケットモンスターの名前や特徴について説明する図鑑を手書きで作成する課題とタブレット端末を用いてフリック入力で作成する課題を設定し、指導を行った。その結果、フリック入力により文字数と漢字の字数が手書きに比べて増加した。また、予測変換の使用回数も増えていった。さらに、対象児に対するインタビュー調査から、対象児にとってフリック入力は負担が少なく、書字の代替手段として妥当な方法であったことが示された。
Creators : Tomiyama Mei Yoshida Nanako Miyaki Hideo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究の目的は、知的障害を伴う広汎性発達障害のある児童に対し、話を振る行動の遂行を目指した指導を行い、その効果を検討することであった。特別支援学校小学部に在籍する知的障害を伴う広汎性発達障害のある5年生児童1名を対象に、個別学習の時間を活用して指導を行った。介入1では話を振る行動を促す視覚プロンプトとしてボールを用いて指導を行い、介入2ではボールの使用に加えて会話終了後に対象児が自発した話を振る行動の生起回数と内容を学級担任がフィードバックした。その結果、介入2において対象児の話を振る行動の生起回数が安定した。また、ボールを撤去したり、会話相手を変更したりしても生起回数は維持された。さらに、対象児の話す行動の最大持続時間についても大幅に短縮された。指導後に行った対象児および学級担任への調査の結果、本研究の社会的妥当性も概ね示された。
Creators : Yoshida Nanako Miyaki Hideo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
学ぶのは働くためであり、働くのは、生き残り、よりよく生きる(幸福)のためである、というのがこの問いに対する一般的な回答である。しかし老いが深まり、死を前にすることでますます顕わになって来るのが「何のために生きるのか?」という問いである。同様にグローバルな規模で我々を駆り立てる得体の知れないシステムに酷使されつつ働く者にとっても「何のために働くのか?」という問いが顕在化しつつある。「働く意味」が不明瞭になれば、「学ぶ意味」も不明瞭になっていく。こうした傾向は今後ますます深刻なものになるだろう。それは人間が抱える意味と無意味の矛盾が歴史を通じて顕わになっていくということである。この矛盾が宗教・芸術・哲学の要求の源泉である。人間が本性的に矛盾を抱えるものである以上、こうした要求は誰においても前提できるが、同時に人間は本性的にこうした矛盾から目を逸らし、日常生活に埋没する。こうした状況にあって人間が生きるのも働くのも自分がその身に生まれた「人間」を学ぶためであるとして、宗教・芸術・哲学を根幹に置いた生涯学習の可能性に言及した。
Creators : Sano Yukihito Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
学校の理科の授業において、児童生徒の自然科学の概念や法則の認識の過程を追求し明らかにすることは重要である。特に、児童生徒の科学的概念形成を考えた理科の授業においては、児童生徒の学習課題や実験を考える上で大切な観点である。しかし、児童生徒の科学的概念形成を具体的な学習課題や実験と関連づけて明らかにした事例は少ない。実際は理科の教師の経験や感性に頼ってしまっている。そこで、科学的概念形成の授業を考えるのに有効な新しい授業戦略を考えた。理科の授業において科学的概念形成を明らかにしようとした3つの試み、「「到達目標」による授業」(玉田泰太郎)、「「のぼり・おり」理論」(酒井寛)、「ルーレッグ方式」(細谷純)をもとに新しく『概念形成図』を考えた。そして、科学的概念形成の理科の授業の授業戦略として『概念形成図』が活用できるか考察した。
Creators : 栗田 克弘 Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
この論文では、日本列島における江戸時代中期(享保期・元文期)の柑橘類栽培の地理的分布を地図で可視化し、今後の分析基盤の整備を進めた成果を報告する。柑橘類のデータは、『江戸時代中期における諸藩の農作物』(盛永・安田、1986)をもとに、『享保・元文諸国産物帳集成』(盛永・安田、1985)に記載された42の地域に関する内容をまとめたものである。94種類ある柑橘類の記載名を41種類の目録名(現在の一般的な品種名)に整理した。また、GIS(地理情報システム)を用いて23葉の分布地図を作成した。分布地図を概観すると、くねんぼ、だいだいなど関東から九州まで広く分布する「広域型」と、夏みかんのように限定された地方に分布する「地方型」など、地理的な分布の違いを見いだすことができる。
Creators : Nakamura Oki Goto Yoshiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
The purpose of this study was to experimentally examine the effects of wearing masks and sunglasses on the impression rating of a person in a COVID-19 pandemic environment. In this study, two groups were set up for the degree of familiarity with the person of the stimulus, one with a first meeting and the other with a four-year personal relationship. The experiment was conducted with first-year and fourth-year undergraduates, and the results of impression ratings using the SD method showed that for females meeting for the first time, wearing a mask decreased familiarity with the stimulus more than with the standard stimulus. For males in the first meeting group, wearing sunglasses decreased forcefulness. In the group with higher intimacy, these impressions were not reduced. Cluster analysis using the participants' consciousness of their public appearance as the dependent variable revealed two clusters, one for the high and one for the low level of awareness of others. Comparing the two groups' ratings of men who met for the first time, the cluster with low awareness of others showed a decrease in forcefulness due to the wearing of the mask, whereas the cluster with high awareness of others showed no decrease in forcefulness.
Creators : Ichikawa Miki Okibayashi Yohei Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
This study examined the relationship between intellectual curiosity and regulatory focus on the retention of learning content. An intellectual curiosity scale, a facilitative-preventive focus scale and a comprehension test of lessons were administered to 59 undergraduate students. Results of correlation analysis and multiple regression analysis showed that specific curiosity and gain-approach orientation were related to the comprehension test. Second, the interaction effect of specific curiosity on the relationship between comprehension tests and regulatory focus was significant. Simple slope analysis showed that the effect of specific curiosity was not significant in the lower gain-approach orientation group, while the effect of specific curiosity in the higher group was significant.
Creators : Okibayashi Yohei Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
ゲーテによるバラード《魔王》は、シューベルトの作曲によって、音楽史に残る作品として確立された。日本国内でも広く愛好されている1曲と言えるだろう。これまで、ゲーテによるこの詩作に対して、様々な作曲家によって創作が試みられてきた。本研究では、ラインホルト・ベッカーによって補筆されたベートーヴェンの未完作品《魔王》を題材とする。ベートーヴェンの《魔王》そしてベッカーによる補筆完成版に至るまでを概観した上で、楽曲の分析を通し、本作品の持つ価値と演奏に関するアプローチについて考察を行った。本稿では、ベートーヴェンとベッカー、両作曲家の意図を読み解き、演奏におけるアプローチおよび作品の持つ固有の価値と魅力について結論を導いた。
Creators : Shiraiwa Jun Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本稿は台湾の近代の美術の変遷を構造化して、伝統美術から現代美術までを四層の構造を仮定して述べ、台湾における独自性を探るものである。四層は民族の伝統文化、西洋文化の影響、近代美術とデザインの国際様式、現代美術のそれぞれを想定している。そして具体的な美術家と作品を採り上げて四層構造を解説している。それらは林玉山、郭雪湖、陳進、陳澄波、李石樵、廖修平、李貞慧である。彼らの活動を紹介し、独自性追求の姿勢や理念を述べている。そして、現代におけるグローバル化とアイデンティティーの形成については、廖修平と李貞慧を採り上げ、彼らの制作理念を明らかにしている。最後に現在の台湾での美感教育に触れ、グローバル化とアイデンティティーの形成の教育について述べている。
Creators : Fukuda Takamasa Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
『美術資料(山口県版)』は山口県で美術を学ぶ子どもたちにとってぜひ受け継いでほしい美術文化を掲載した資料集である。わずか12ページしかない誌面ではあるが、そこには「山口県の伝統と文化を受け継いでほしい」、「山口県にも誇れる美術環境や作品が多くある」、「山口県で学ぶならこのことは知っておいてほしい」という美術科教員としての想いが込められている。しかし、美術科教員にとって教えたいことや伝えたいことが異なる。地域の美術や身のまわりの美術にふれることの大切さについては指導すべき事項として学習指導要領には示されているが、それが具体的に何かは書かれていない。だからこそ、県内の美術科教員が集まり、話し合い、検討し、山口県版のページを作成している。本誌は、今回の編集の記録であり、今後も改訂していくための参考として残したいと考え、記したものである。
Creators : Adachi Naoyuki Nishimura Yuko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
芥川龍之介作の「羅生門」の中に、下人の老婆に対する発言に関して、「嚙みつくように」という表現が用いられているところがある。現代語の「嚙みつくように」は、他に対して攻撃的な様子を表す表現として用いられることが一般的かと思われるが、近代の「嚙みつくように」は、現代語とは異なる意味を表していたと考えられる。本稿では、近代の「嚙みつくように」の用例をもとに、かつては、「相手としっかりつながるようにする様子」を表す喩えとして用いられていたのではないかということを述べるものである。あわせて、比較的最近においても、近代と同様な意味で「嚙みつく」という比喩が用いられた例があることについても述べる。
Creators : Nakano Nobuhiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本論は、日本近代文学館に所蔵されている「武田泰淳コレクション」における未発表の草稿類資料「原稿 天命」(資料番号 T0056535)などを考察対象として取り上げ、草稿と初出本文との異同を検討することで、「聖王」「悪王」像が明確化され、美姫たちが格上げされ、「幸福な重耳」と「天命」が削除されたというテキストの生成過程を明らかにした。生成過程を踏まえ、改稿の時代背景から武田の「気持」を理解し、具体的に武田が「悠久なものがなぜほしかったか」、即ち本小説における「悠久のもの」(中国古典)の「現代」的意義を検討した。本小説において「悠久のもの」の「現代」的意義は、動乱の1960年代に面して、武田が「現実のきびしさを考える場合に」、「悠久のもの」から「よりどころとなり得るもの」である「徳」あるいは「王者(徳の高い人)」を追究し、「武力と悪知恵ではなくて、徳によっておさめられる静かな国」を強調し、中国古典を通して「現代」の難題を問い直したことであると思われる。
Creators : Son Shin Yoshimura Makoto Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
日本語の自然会話においては様々な反復現象が見られるが,中でもある話者の発話末尾文にある要素が次の話者の発話冒頭文に現れているような反復現象が観察される。本稿では,そのような会話における反復を「話者間反復」と呼ぶ。従来の研究では,話者間反復は「形態的な制約」「統語的な制約」「談話的な制約」によって,いくつかの候補から,最も多くの制約が満たされている要素が選ばれて起こることが分かった。しかし,それら3つ制約のうちどれが優位であるのかに関しては,未解明である。本稿では,話者間反復における制約の優位性について考察する。その結果,「形態的な制約の優位性が相対的に高い」ということを仮定する。
Creators : Chang Yanli 有元 光彦 Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本稿の目的は,長崎県対馬・壱岐の4方言を対象とし,そこに起こるテ形音韻現象を記述することにある。さらに,対馬の佐護方言で発見された新たな「方言タイプPA#2」があり得る方言タイプであるかどうかについて検証していく。まず,対馬の佐護方言においては,新たな方言タイプのほかに,方言タイプTGが見られている。また,対馬の豆酘方言では方言タイプPAが観察される。同じ対馬に,同じPA系が分布していることは,「方言タイプPA#2」を仮定できる証拠になる可能性が高い。また,地理的分布の考察からも,壱岐方言をはじめ,近隣に類似の方言タイプが分布することから,その仮説がさらに支持できることになる。「方言タイプPA#2」の発見は,従来から仮定されている方言タイプPAにもさらなるバリエーションがあることを示すものである。今後,テ形音韻現象のより詳細な分類が求められる。
Creators : 有元 光彦 Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
新型コロナウイルス感染拡大防止対策のもとで合唱はリスクの高い活動とされ、2023年5月8日から「5類感染症」に移行したものの、3年以上もマスクを着用し、歌唱を制限された子どもたちを対象に合唱の魅力やあり方に基づいた効果的な合唱教育プログラムの開発は喫緊の課題であろう。筆者らは、2021年度山口大学教育学部附属光学園の研究テーマ:「well-beingにつながる学び」についての共同研究を契機に、音楽や合唱に関するwell-being研究を進めている。本研究においては、Achievement(達成)の項目を加えた合唱におけるwell-being尺度を開発し、大学生の合唱の質を測定した。その結果、仮説的な5因子を抽出することはできなかったが、合唱に関するポジティブで主体的な態度を測定する因子と、合唱によって仲間との関係性を意識したり、仲間からの受容を実感したりするという2因子の構成を見出した。また、媒介分析から、合唱による仲間からの受容を実感することで生活満足を高め、このことが合唱に主体的に取り組む態度を高めるという結論に達した。
Creators : Takahashi Masako Okibayashi Yohei Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究の目的は、小学校生活科の単元の中で地域に暮らす外国人住民との異文化間交流を取り入れた授業実践を行い、その教育的効果を検証することであった。交流前後にアンケート調査を実施し、外国人に対するイメージや好感度、交流意欲がどのように変化したかをテキストマイニングと対応のあるt検定により分析した。その結果、直接の交流を通して、児童の外国人に対するステレオタイプが払拭され、外国人や生活文化の多様性や人となりなどについて多くの気づきがあったことが伺えた。また、外国人に対する好感度や交流意欲が有意に高まっていることがわかった。このことから、本単元の「地域の人々や場所に親しみや愛着をもつことができるようにする」というねらいについてもある程度達成できたものと考える。
Creators : Nishio Koichiro Tateishi Ikuha Imai Sarara Yamamoto Token Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
「御法」巻では紫の上の死が描かれている。新科目「古典探究」の教科書でも多く採録されている箇所である。高校生を対象とした授業提案も考えたが、本稿では「病」や「死」に関わることが多い看護学校での筆者自身が行った授業を対象に分析考察を行った。今回は、絵画と原文を対照させながら読むことに加えて、補助資料として「平安時代のお葬式事情」(コラム)や俵万智の文章を活用した。「時空を超えて思いを巡らす」時間としての古典の学びによって、現代を相対化する視座を得ることの意味や価値を考察した。また、受講者の「言葉自覚」「言葉の意識的な運用力」「言語化能力」を育成する「場」としての古典の学びの可能性を究明した。受験を目的としない「古典を読む、古典に親しむ」意味とは何なのか。千年も前の物語を読む必要性とは何かを検討することで、小中高大のみならず生涯教育における古典の学びの可能性を追究した。
Creators : Bando Tomoko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
オンライン学習が急速に普及する中、ビデオ教材は教育分野において重要なツールとなっている。しかし、ビデオ制作には時間とコストがかかり、高品質なコンテンツを作成・更新することが難しいという課題が存在する。本論文は、これらの課題に焦点を当て、新しいアプローチを提案する。本論文ではHTML5を活用した新しい教材作成システムを紹介し、その特徴を解説する。この教材システムはスライドショー形式を採用し、静止画、解説、音声合成を組み合わせることにより。教材の修正を容易にしている。またブラウザ上で動作するので、さまざまなデバイスからアクセス可能である。これにより、ビデオ教材の制作・提供における効率性と柔軟性の向上が期待できる。本論文のシステムは、オンライン学習の未来に向けた教育技術の発展に貢献し、教育分野の変革に寄与する新たなアプローチを提供することを目指している。
Creators : Kitamoto Takuya Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
現在、様々な機械学習手法が考案され、比較的簡単に使うことができるようになっている。前回の研究[1]では、手の動作識別やそれを利用したカーソルの動きについて、深層学習を用いて学習回数が少なく高精度に識別する手法を用いたが、本研究ではその他の機械学習手法ではどうなのかを調査する。一つ一つ機械学習の手法を試していくのは、時間がかかるため、かなりの部分を自動化し、複数のモデルを比較できるPyCaretというPythonのライブラリを用いて実験を行う。PyCaretは、環境によってインストールに少し時間がかかることもあるが、それ以上に自動化によって受ける恩恵は大きい。PyCaretを使い、性能が高いモデルを探索し、それを使って 3動作識別を行うことで、遅延が少なく正確なカーソル操作を目指す。本手法では動作識別のたびに再学習が必要となるが、比較的シンプルな構成でコストも低いことから、筋電義手への応用に有用ではないかと考えられる。また、今回も前回の研究[1]を引き継ぎ、Arduino Uno R3 やMyoWare筋電センサといった安価で、手軽に実験できる機器を用いる。
Creators : Ito Masataka Kitamoto Takuya Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
高等学校理科物理分野で学習する音のドップラー効果について、五感を用いた『定性的理解』と1波長の長さを時間に換算し、その波長の変化を具体的に比較する『定量的理解』の双方からドップラー効果の理解度向上に寄与する教材の提案並びに定量的評価を行った。実験教材には音源を等速直線運動させる方法を採用することにより、音源を円運動させた場合に発生する「うなり」の影響を無効化させ、さらに、日常生活における救急車の接近・離反の現象体感を容易に再現することが可能となった。ステッピングモーターを動力として音源を高速移動させることにより、『聴覚的』に音の高さの変化を体感し、同時に観測した波形から『視覚的』に1波長の長さの変化を捉えることを通して、ドップラー効果の原理を理解するための学習に結びつけることが期待できる結果を得た。
Creators : Ishida Yutaro Shigematsu Hirotake Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
小学校第五学年理科の単元「電流がつくる磁力」における『電磁石』に注目し、児童の電磁石の 特性に関する理解度向上を目指した教材の開発及び定量的評価を行った。検定教科書に記載されて いるコイルを構成するエナメル線の直径条件0.3~0.6 mmを含む広範囲(直径0.1~0.8 mm)のエナ メル線を用いて、磁力、温度変化並びに流れる電流値を測定し、教材に適した条件の検証を行った。 磁力においては従来用いられている釘・クリップ・ワッシャーといった鉄製品が引き付けられる個 数を比べることに加え、テスラメーターを用いたコイル断面(質点)における磁束密度の定量的測 定を行った。さらに、乾電池の内部抵抗の影響を明らかにするために直流電源装置、アルカリ乾電 池、マンガン乾電池という異なる3つの電源を用いた比較測定を行い、内部抵抗の存在そのもの並 びに乾電池の劣化に伴う内部抵抗の増加がどのくらい磁力に影響を与えるかを具体的に明らかにし た。得られた結果を総合的に評価することにより、乾電池1個分の起電力である1.5 Vの電圧を使用 する条件下においては、直径0.5 mmのエナメル線(長さ10 m)を用いることが最も適していると いう結論に至った。
Creators : Kawanami So Shigematsu Hirotake Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
教育において問いは極めて重要である。問いについては多くの理論的、実践的な研究の成果があ る。しかし、これらの研究では問いとはどのようなものであるかなどの原理的な考察を欠く。その ため、問いは学習者にとって探究すべきものではないこともある。つまり、問う者が不在なのであ る。実存論的とは、問う者であるわれわれのあり方から考察することである。さらに、問う者であ るわれわれは真理を求める。実存論的な真理は自己との関係によって明らかにされる。以上から次 の3点について論じている。第1に、日常的実践としての問いは、実践に埋没していることである。 第2に、科学的認識としての問いは、客観的真理に呪縛されることである。第3に、本来的実存の 可能性としての問いである。本来的実存は、自己と世界の関係において真理を問うこととなる。そ のため、自己と世界の関係性を問い直し新たな実践を作り出す可能性を秘めることになるのである。
Creators : Tamoto Shoichi Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究の目的は、教員のジェンダー観や校種、および性別により、児童生徒への意識や関わりに 違いがあるかについて、児童生徒側の性別も合わせて検討することである。対象は小中学校の教員 123名(小学校男性27名、小学校女性53名、中学校男性24名、中学校女性19名)で、2022年12月に 質問紙調査を実施した。質問紙の構成は、「役割分業観」と、男女の児童生徒それぞれに対する「生 徒への抵抗感」「指導上の困難感」であった。分析の結果、小学校男性教員は女子児童への関わり は難しいという意識が高い可能性があること、小学校女性教員は男女区別なく接している意識が高 いことが考えられた。また、中学校教員は男性教員・女性教員いずれも同性の生徒に関わりやすさ や理解しやすさを感じている可能性が示唆された。
Creators : Kasuga Yumi Tsuchiya Namiko Nagaya Kazuhisa Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
In science classes, the use of a microscope evokes an enthusiastic and exciting response from students. When students attempt to gain an understanding of the size of samples under a microscope, micrometers of two types are generally required to measure sizes. An eyepiece micrometer contains an attached eyepiece lens, while a stage micrometer is placed on the stage to provide accurate information pertaining to length. When the magnification of the objective lens is changed, the scale of the eyepiece micrometer is changed. Hence, we need to measure the scale of the eyepiece micrometer before observation for each magnification. However, students can find this principle difficult to comprehend when calculating the ratio. In this study, we introduced teaching material demonstrating the eyepiece micrometer using a kitchen towel wick in an effort to explain the principle of scale when using a microscope. This approach should prove useful in helping to clarify the principle using simple material that students can easily make themselves. Finally, this method should facilitate an understanding of difficult concepts by encouraging students to experience changes in image size from different perspectives using familiar materials, or in other words, elements of “STEAM”.
Creators : Kitazawa Chisato Yamanaka Akira Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
昨今,校則の見直しの動きが加速するなかで,校則の内容や必要性を理解するためには,各校則の制定理由を理解し,子どもと学校が互いに納得していることが重要であると考える。本研究では「小学校の校則に複数の制定理由を想定し『校則の種類』や『個人特性』が校則の制定理由に対する納得の程度に与える影響を検討する」ことを目的する。これにより,校則に関する学校の説明責任を果たす一助となることに加え,各学校の校則が「社会通念上合理的と認められる範囲」であるかどうかを再考するきっかけになることを期待する。また,アンケート調査の回答を基に分析した結果により,どの理由においても納得しにくい校則について,当該校則の必要性の再考を提案した。
Creators : Takahashi Kyosuke Ono Fuminori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では顔の記憶課題成績と自閉傾向との関連の有無を調べた。実験の結果,自閉傾向全体の得点と顔記憶の再認課題成績についての関連は見られなかった。また,自閉傾向尺度の下位尺度の一つである「注意の切り替え」については,制限のない実験と概念情報によって記憶する実験において,注意の切り替え得点が高い群の方が成績が高かった。本研究の結果から再認記憶課題成績と自閉傾向得点との関連は見られなかったが,注意の切り替えの部分においては顔の記憶課題に影響がある可能性が示された。
Creators : Mito Harumi Ono Fuminori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では“あがり”を軽減する要因として練習量を調整要因として,さらに,楽観主義傾向と悲観主義傾向に着目し,これらの要因が“あがり”意識と課題遂行に与える影響について検討した。その結果,練習量が多い条件では少ない条件と比較して課題遂行における失敗数が少なかったものの“あがり”意識に変化はみられなかった。練習量と楽観主義,また練習量と悲観主義の分散分析の結果,優位な差はみられなかった。また練習量が多いことにより楽観主義と“あがり”意識を構成する因子の1つである責任感に負の相関がみられた。以上より,楽観主義傾向の者には量の多い練習が“あがり”意識の軽減効果を持つ可能性があることが示された。
Creators : Kato Wakana Ono Fuminori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では、公立小学校通常の学級に在籍する児童1名を対象とし、授業に参加しない離席行動を減少させ、授業に参加する行動がより生起(増加)するように、長期研修派遣教員と行動コンサルテーションを実施し、その効果等について検討することを目的とした。離席行動等に関するアセスメントの後、同校教員9名の協力によって作成されたストラテジー・シートに基づき、支援員も同席するフィードバック機会の設定、学級全体への支援と個別の支援の並行実践、複数の機能に対応する行動支援の同時、段階的導入を行った。それらにより、離席行動は激減し、授業に参加する行動が増え、担任の負担感も軽減した。このような結果をもたらした要因として、行動コンサルテーション実践(1)に引き続き設置した垂直サインによる提示方法、担任に対する支援案にアレンジを加えることも可とした配慮等が挙げられ、当研究で実施された行動コンサルテーションの有効性が示された。
Creators : Matsuoka Katsuhiko Okuda Kaori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では、公立小学校通常の学級に在籍する児童1名を対象とし、大声による授業妨害行動を減少させ、発言のルールを守って学習に取り組む行動がより生起(増加)するように、長期研修派遣教員と行動コンサルテーションを実施し、その効果等について検討することを目的とした。大声による授業妨害行動に関するアセスメントの後、介入では、行動問題の生起が少ない教科における担任教師の児童に対する行動を介入案とすること、それを端的な言葉で表現した「担任支援カード」を設置する工夫等を行った。その結果、大声による授業妨害行動は減少し、担任教師の話を黙って聴く、待つなどの行動が増加した。このような結果をもたらした要因として、第3者による直接行動観察に基づく行動問題の機能同定、担任教師の技能を生かす介入案、垂直サインによる提示方法が有効であったことが示され、校内におけるコンサルテーションの有効性が示唆された。
Creators : Okuda Kaori Matsuoka Katsuhiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
電解質を水に溶解する際、体積の加成性は破綻し、その体積変化の程度は電解質の種類によって異なる。これは主にイオンの大きさと電荷の違いにより、水和構造に違いが生じることによる。学校でも実施可能な簡単な実験によって電解質の溶解における体積変化の非加成性を確認できれば、水分子がイオンに結合して形成される水和イオンの構造や水分子の集まり方などを原子レベルで推論することが可能と考える。そこで、電解質を水に溶解させたときの体積変化を定量的に測定できる簡便な実験を考案し、いくつかの電解質を用いて実験を行った。その結果、電解質の違いによるわずかな体積変化の違いも定量的に測定することができた。それらの実験結果を用いて計算した各イオンのみかけの部分モル体積も、これまで報告されてきた値と調和的な結果を得た。
Creators : Waizumi Kenji Kita Kazuki Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Medical Science & Innovation Volume 70 Issue 3-4 pp. 19 - 26
published_at 2023-12
Right ventricular (RV) dysfunction and its linked arrhythmias play a crucial role in determining the prognosis of pulmonary arterial hypertension (PAH). Our paper aimed to explore the potential protective effects of direct pharmacological intervention in the RV muscle using dantrolene (DAN), a stabilizer of the cardiac ryanodine receptor (RyR2), against RV dysfunction and arrhythmia in a rat model of monocrotaline (MCT)-induced PAH. To induce PAH, male 8-week-old Sprague-Dawley rats received MCT injections. The study also assessed the induction of ventricular tachycardia (VT) by catecholamines, examining RyR2-mediated Ca^{2+} release properties in isolated cardiomyocytes. Additionally, a pulmonary artery-banding model was established to evaluate the independent effects of chronic pressure overload on RV morphology and function. In the MCT-induced PAH rat model, findings revealed RV hypertrophy, dilation, and functional decline, resulting in 0% survival rate two months post-MCT induction. Conversely, chronic DAN treatment demonstrated improvements in these RV parameters and an 80% increase in survival. Furthermore, chronic DAN treatment prevented the dissociation of calmodulin from RyR2, inhibiting Ca^{2+} sparks and spontaneous Ca^{2+} transients in MCT-induced hypertrophied RV cardiomyocytes. Epinephrine induced VT in over 50% of rats with MCT-induced PAH, while chronic DAN treatment achieved complete suppression of VT. The paper concludes that stabilizing RyR2 with DAN holds promise as a novel therapeutic approach against the development of RV dysfunction and fatal arrhythmias associated with PAH.
Creators : Tanaka Shinji Yamamoto Takeshi Kobayashi Shigeki Yano Masafumi Publishers : Yamaguchi University School of Medicine
村上春樹とアダプテーション研究 Volume 2 pp. 85 - 89
published_at 2024-01-31
Creators : 阿部 翔太 Publishers : 村上春樹とアダプテーション研究会
村上春樹とアダプテーション研究 Volume 2 pp. 81 - 84
published_at 2024-01-31
Creators : ダルミ カタリン Publishers : 村上春樹とアダプテーション研究会
村上春樹とアダプテーション研究 Volume 2 pp. 77 - 80
published_at 2024-01-31
Creators : Yamane Yumie Publishers : 村上春樹とアダプテーション研究会
村上春樹とアダプテーション研究 Volume 2 pp. 65 - 70
published_at 2024-01-31
Creators : 伊藤 弘了 Publishers : 村上春樹とアダプテーション研究会
村上春樹とアダプテーション研究 Volume 2 pp. 53 - 64
published_at 2024-01-31
Creators : Yamane Yumie Publishers : 村上春樹とアダプテーション研究会
Publishers : 村上春樹とアダプテーション研究会
Asian economic review Volume 81 Issue 1-2 pp. 1 - 14
published_at 2023-01-31
近年中国のハイスピードな経済発展により、都市化が進み、農耕地域の人々が大量に都市部へ移動した。それに伴い、著しい地方文化の変化がもたらされた。本稿では、主に、内モンゴル通遼市ホルチン中旗のA村における、1990年代と現代との婚姻習俗の比較を通し、現代における各種のサービス業の発展により、モンゴル人が結婚披露宴を実施する際には、自民族が持つ固有の伝統文化を結婚披露宴に取り入れる現象が見られるようになったこと、そしてモンゴル人が都市部で創り出した「異種混合」の文化が内モンゴルの多くの地域に流行するようになったことを明らかにしている。それは、現代の農耕モンゴル人が、地方から都市部へ移動することによって、民族のアイディティを持つようになったという意識的な「文化の再構築」の活動である。本稿では主に、農耕モンゴル人の文化の再構築の過程を考察し、現代内モンゴルにおける文化の状況について論じていきたい。
Creators : HAN Yanli Yuan Lihui Publishers : The TOA-KEIZAI Gakkai, Yamaguchi University
Publishers : The TOA-KEIZAI Gakkai, Yamaguchi University
Humans now more or less cooperate in production and distribution to maximize their own pleasure. Pleasure can be divided into direct and indirect ones. Humans can increase their own pleasure through gift-giving behavior in addition to exchange behavior. Here people encounter the question of how much of the savingsable goods that can be used for gifts should be allocated to prepare for one's future anxiety. Gifts to a partner of collaboration are made to the extent that the gift contributes to one's survival by sustaining the collaboration with the partner. This is due to the self-love motive. By excluding this self-love motive from behaviors for indirect pleasure, we focus on the giving behavior, in which an increase in the other's pleasure increases one's own pleasure. We conclude that gifts are considered to be made when the indirect pleasure that arises when a certain amount of gift is given to the other party from one's ability to save is greater than the direct pleasure that arises from allocating it to savings. Further, it is considered that the magnitude relationship between the two is determined by the donor's "subjectivity level" and the giftee's need for gifting.
Creators : Tsukada Hiroto Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
Creators : Yamashita Satoshi Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
Creators : Fukuda Takamasa Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Ono Takafumi Suto Kunihiko Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Saiki Hideto Nakamoto Yuka Fujimoto Ryota Irish Cenal Oue Ryuko Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Sakurai Rin Kiya Hidekatsu Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Sugiura Takao Miyamoto Takeshi Oka Yuki Morishita Naruki Fukumoto Takashi Sone Ryoko Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Bando Tomoko Sadayasu Nao Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
What can be done when the hot programming language Python is usedas a tool for macroeconomic data analysis? In this paper, while writingcode in Python, we explain the estimation of consumption functions asan example, discuss what advantages there are in analyzing economicdata using Python, and also discuss the possibilities and directions ofmacroeconomic data analysis in the future.
Creators : Hyodo Takashi Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
Creators : Umada Tetsuji Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 3 pp. 45 - 53
published_at 2023-07-20
山口県中部の秋吉石灰岩においては、小澤(1923)が提案した層序の逆転について、決定的な形成モデルが提案されていない。本報告では、最近得られた知見に基づいて、形成モデル構築のための制限条件を検討する。それは、超巨大海山の衝突と生物礁の付加であり、逆転構造の広がりについての新たな地質情報である。また、海溝充填堆積物とされた常森層の形成場についての知見も重要である。これまで、確かな形成モデルが提案されなかったのは、現在の地球上に、秋吉石灰岩の逆転モデルに相当する地質イベントが存在しなかったことが関係している。斉一説に基づいた解釈が困難であったためである。今後は、新たな制約条件の下、新たな形成モデルの構築を図る必要がある。
Creators : Wakita Koji Publishers : 山口大学山口学研究センター
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 3 pp. 37 - 44
published_at 2023-07-20
秋芳洞などの鍾乳洞は、共有の財産として適切な保護・保全・活用が行なわなければならない。しかし、鍾乳洞の形状は凹凸に富んで複雑であり、自然光が届かない中でその全貌を把握するのは難しい。本稿では、小型化・低価格化したLiDAR装置を用いて、美祢市秋芳洞・大正洞を計測することを試み、その有効性について検討した。その結果、モバイルLiDAR(Livox社製Avia)による点群データ及び3Dモデルは1963年測量の実測図と整合的であり、その有効性は認められた。しかし、優れた3Dモデルには十分な点群密度が必要である。
Creators : Kagohara Kyoko Publishers : 山口大学山口学研究センター
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 3 pp. 30 - 36
published_at 2023-07-20
本稿は、コロナ自粛下で停滞した学生コミュニティを再活性化することを目的としたプロジェクト型課題解決研究(Project Based Learning:以下、PBL)の一部である。2021年度にコロナの影響で自宅学習を余儀なくされた現大学生は、地域や大学で自身のコミュニティを形成することが困難であった。そこで、2022年度、対面授業が主となった大学キャンパスを中心に学生の視点からコミュニティを再活性化したいと考えた。私たち学生にとって重要な食事及びコミュニケーションツールでもあるドリンクをキーとして、山口大学生活協同組合(以下、山大生協)の福利厚生施設「FAVO」のカフェ(以下、FAVO café)での試みが学生に与えた影響について報告する。
Creators : Yamamoto Kaho Mukai Riho Terauchi Takato Umibe Haruka Ariba Yukimi Isomoto Amika Ueda Masumi Publishers : 山口大学山口学研究センター