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Nambu Hidehiko

Affiliate Master Yamaguchi University

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本稿は、陳軫の「蛇足故事」及び「管与の説」「卞荘子が虎を殺した話」という三つの故事がそれぞれ「戦国故事」においては寓話として機能していることを確認したうえで、陳軫の「管与の説」「卞荘子が虎を殺した話」と同じ「強者同士が闘い合うと、ともに疲弊して第三者の餌食になる」という筋立てをもつ寓話や比喩の使用例が説客の弁論中に複数見られることなどから、説客が用いたこれらの秀逸な比喩表現には、合従・連衡の外交戦略をめぐる弁論が盛んに行われた戦国中期の時代性の刻印が認められることを述べる。さらに、戦国中期の説客の「揣摩」の術(君主の本心を推し当てながら、君主を奮起させる弁論術)の核心は名声と実利の両面を同時に満足する計略を提案するところにあり、弁論中での比喩表現の使用は君主が計略を聞いて納得するための下地を作る意味があったことを述べる。最後に、以上の考察にもとづいて、故事成語の由来と意味を研究する際の留意点を述べる。
Creators : Nambu Hidehiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Creators : Nambu Hidehiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University