魚類の染色体については多くの研究が報告され,なかでもNOGUSA(1960)はパラフィン法により64種類の魚類の染色体について報告している。 この中でナマズParasilurus asotus(LINNE)の染色体については2n=58,n=29(I)(46r).ギギ Pelteobagrus nudiceps(SAUVAGE)については2n=56,n=28(I)(46r)と報告している。またMURAMOTO(1969)はナマズの鰓,脾臓および腎臓などの体細胞の染色体を空気乾燥法によって観察し,2n=58で染色体数はNOGUSA(1960)の結果と同様であるが核型の異なることを報告した。著者は淡水魚類の雑種形成および類縁関係に関する研究の一部として,ナマズおよびギギの染色体を観察し若干の知見を得たので報告する。