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Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 207 - 212
published_at 2024-01-31
The purpose of this study was to experimentally examine the effects of wearing masks and sunglasses on the impression rating of a person in a COVID-19 pandemic environment. In this study, two groups were set up for the degree of familiarity with the person of the stimulus, one with a first meeting and the other with a four-year personal relationship. The experiment was conducted with first-year and fourth-year undergraduates, and the results of impression ratings using the SD method showed that for females meeting for the first time, wearing a mask decreased familiarity with the stimulus more than with the standard stimulus. For males in the first meeting group, wearing sunglasses decreased forcefulness. In the group with higher intimacy, these impressions were not reduced. Cluster analysis using the participants' consciousness of their public appearance as the dependent variable revealed two clusters, one for the high and one for the low level of awareness of others. Comparing the two groups' ratings of men who met for the first time, the cluster with low awareness of others showed a decrease in forcefulness due to the wearing of the mask, whereas the cluster with high awareness of others showed no decrease in forcefulness.
Creators : Ichikawa Miki | Okibayashi Yohei
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-19 16:22:18
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 203 - 206
published_at 2024-01-31
This study examined the relationship between intellectual curiosity and regulatory focus on the retention of learning content. An intellectual curiosity scale, a facilitative-preventive focus scale and a comprehension test of lessons were administered to 59 undergraduate students. Results of correlation analysis and multiple regression analysis showed that specific curiosity and gain-approach orientation were related to the comprehension test. Second, the interaction effect of specific curiosity on the relationship between comprehension tests and regulatory focus was significant. Simple slope analysis showed that the effect of specific curiosity was not significant in the lower gain-approach orientation group, while the effect of specific curiosity in the higher group was significant.
Creators : Okibayashi Yohei
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-19 16:05:24
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 193 - 201
published_at 2024-01-31
ゲーテによるバラード《魔王》は、シューベルトの作曲によって、音楽史に残る作品として確立された。日本国内でも広く愛好されている1曲と言えるだろう。これまで、ゲーテによるこの詩作に対して、様々な作曲家によって創作が試みられてきた。本研究では、ラインホルト・ベッカーによって補筆されたベートーヴェンの未完作品《魔王》を題材とする。ベートーヴェンの《魔王》そしてベッカーによる補筆完成版に至るまでを概観した上で、楽曲の分析を通し、本作品の持つ価値と演奏に関するアプローチについて考察を行った。本稿では、ベートーヴェンとベッカー、両作曲家の意図を読み解き、演奏におけるアプローチおよび作品の持つ固有の価値と魅力について結論を導いた。
Creators : Shiraiwa Jun
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-19 15:57:54
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 183 - 192
published_at 2024-01-31
本稿は台湾の近代の美術の変遷を構造化して、伝統美術から現代美術までを四層の構造を仮定して述べ、台湾における独自性を探るものである。四層は民族の伝統文化、西洋文化の影響、近代美術とデザインの国際様式、現代美術のそれぞれを想定している。そして具体的な美術家と作品を採り上げて四層構造を解説している。それらは林玉山、郭雪湖、陳進、陳澄波、李石樵、廖修平、李貞慧である。彼らの活動を紹介し、独自性追求の姿勢や理念を述べている。そして、現代におけるグローバル化とアイデンティティーの形成については、廖修平と李貞慧を採り上げ、彼らの制作理念を明らかにしている。最後に現在の台湾での美感教育に触れ、グローバル化とアイデンティティーの形成の教育について述べている。
Creators : Fukuda Takamasa
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-19 15:45:52
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 175 - 181
published_at 2024-01-31
『美術資料(山口県版)』は山口県で美術を学ぶ子どもたちにとってぜひ受け継いでほしい美術文化を掲載した資料集である。わずか12ページしかない誌面ではあるが、そこには「山口県の伝統と文化を受け継いでほしい」、「山口県にも誇れる美術環境や作品が多くある」、「山口県で学ぶならこのことは知っておいてほしい」という美術科教員としての想いが込められている。しかし、美術科教員にとって教えたいことや伝えたいことが異なる。地域の美術や身のまわりの美術にふれることの大切さについては指導すべき事項として学習指導要領には示されているが、それが具体的に何かは書かれていない。だからこそ、県内の美術科教員が集まり、話し合い、検討し、山口県版のページを作成している。本誌は、今回の編集の記録であり、今後も改訂していくための参考として残したいと考え、記したものである。
Creators : Adachi Naoyuki | Nishimura Yuko
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-19 15:26:40
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 169 - 174
published_at 2024-01-31
芥川龍之介作の「羅生門」の中に、下人の老婆に対する発言に関して、「嚙みつくように」という表現が用いられているところがある。現代語の「嚙みつくように」は、他に対して攻撃的な様子を表す表現として用いられることが一般的かと思われるが、近代の「嚙みつくように」は、現代語とは異なる意味を表していたと考えられる。本稿では、近代の「嚙みつくように」の用例をもとに、かつては、「相手としっかりつながるようにする様子」を表す喩えとして用いられていたのではないかということを述べるものである。あわせて、比較的最近においても、近代と同様な意味で「嚙みつく」という比喩が用いられた例があることについても述べる。
Creators : Nakano Nobuhiko
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 17:59:05
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 155 - 167
published_at 2024-01-31
本論は、日本近代文学館に所蔵されている「武田泰淳コレクション」における未発表の草稿類資料「原稿 天命」(資料番号 T0056535)などを考察対象として取り上げ、草稿と初出本文との異同を検討することで、「聖王」「悪王」像が明確化され、美姫たちが格上げされ、「幸福な重耳」と「天命」が削除されたというテキストの生成過程を明らかにした。生成過程を踏まえ、改稿の時代背景から武田の「気持」を理解し、具体的に武田が「悠久なものがなぜほしかったか」、即ち本小説における「悠久のもの」(中国古典)の「現代」的意義を検討した。本小説において「悠久のもの」の「現代」的意義は、動乱の1960年代に面して、武田が「現実のきびしさを考える場合に」、「悠久のもの」から「よりどころとなり得るもの」である「徳」あるいは「王者(徳の高い人)」を追究し、「武力と悪知恵ではなくて、徳によっておさめられる静かな国」を強調し、中国古典を通して「現代」の難題を問い直したことであると思われる。
Creators : Son Shin | Yoshimura Makoto
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 17:55:14
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 145 - 153
published_at 2024-01-31
日本語の自然会話においては様々な反復現象が見られるが,中でもある話者の発話末尾文にある要素が次の話者の発話冒頭文に現れているような反復現象が観察される。本稿では,そのような会話における反復を「話者間反復」と呼ぶ。従来の研究では,話者間反復は「形態的な制約」「統語的な制約」「談話的な制約」によって,いくつかの候補から,最も多くの制約が満たされている要素が選ばれて起こることが分かった。しかし,それら3つ制約のうちどれが優位であるのかに関しては,未解明である。本稿では,話者間反復における制約の優位性について考察する。その結果,「形態的な制約の優位性が相対的に高い」ということを仮定する。
Creators : Chang Yanli | 有元 光彦
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 17:49:02
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 135 - 144
published_at 2024-01-31
本稿の目的は,長崎県対馬・壱岐の4方言を対象とし,そこに起こるテ形音韻現象を記述することにある。さらに,対馬の佐護方言で発見された新たな「方言タイプPA#2」があり得る方言タイプであるかどうかについて検証していく。まず,対馬の佐護方言においては,新たな方言タイプのほかに,方言タイプTGが見られている。また,対馬の豆酘方言では方言タイプPAが観察される。同じ対馬に,同じPA系が分布していることは,「方言タイプPA#2」を仮定できる証拠になる可能性が高い。また,地理的分布の考察からも,壱岐方言をはじめ,近隣に類似の方言タイプが分布することから,その仮説がさらに支持できることになる。「方言タイプPA#2」の発見は,従来から仮定されている方言タイプPAにもさらなるバリエーションがあることを示すものである。今後,テ形音韻現象のより詳細な分類が求められる。
Creators : 有元 光彦
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 17:31:41
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 127 - 133
published_at 2024-01-31
新型コロナウイルス感染拡大防止対策のもとで合唱はリスクの高い活動とされ、2023年5月8日から「5類感染症」に移行したものの、3年以上もマスクを着用し、歌唱を制限された子どもたちを対象に合唱の魅力やあり方に基づいた効果的な合唱教育プログラムの開発は喫緊の課題であろう。筆者らは、2021年度山口大学教育学部附属光学園の研究テーマ:「well-beingにつながる学び」についての共同研究を契機に、音楽や合唱に関するwell-being研究を進めている。本研究においては、Achievement(達成)の項目を加えた合唱におけるwell-being尺度を開発し、大学生の合唱の質を測定した。その結果、仮説的な5因子を抽出することはできなかったが、合唱に関するポジティブで主体的な態度を測定する因子と、合唱によって仲間との関係性を意識したり、仲間からの受容を実感したりするという2因子の構成を見出した。また、媒介分析から、合唱による仲間からの受容を実感することで生活満足を高め、このことが合唱に主体的に取り組む態度を高めるという結論に達した。
Creators : Takahashi Masako | Okibayashi Yohei
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 17:22:01
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 117 - 125
published_at 2024-01-31
本研究の目的は、小学校生活科の単元の中で地域に暮らす外国人住民との異文化間交流を取り入れた授業実践を行い、その教育的効果を検証することであった。交流前後にアンケート調査を実施し、外国人に対するイメージや好感度、交流意欲がどのように変化したかをテキストマイニングと対応のあるt検定により分析した。その結果、直接の交流を通して、児童の外国人に対するステレオタイプが払拭され、外国人や生活文化の多様性や人となりなどについて多くの気づきがあったことが伺えた。また、外国人に対する好感度や交流意欲が有意に高まっていることがわかった。このことから、本単元の「地域の人々や場所に親しみや愛着をもつことができるようにする」というねらいについてもある程度達成できたものと考える。
Creators : Nishio Koichiro | Tateishi Ikuha | Imai Sarara | Yamamoto Token
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 16:59:52
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 107 - 116
published_at 2024-01-31
「御法」巻では紫の上の死が描かれている。新科目「古典探究」の教科書でも多く採録されている箇所である。高校生を対象とした授業提案も考えたが、本稿では「病」や「死」に関わることが多い看護学校での筆者自身が行った授業を対象に分析考察を行った。今回は、絵画と原文を対照させながら読むことに加えて、補助資料として「平安時代のお葬式事情」(コラム)や俵万智の文章を活用した。「時空を超えて思いを巡らす」時間としての古典の学びによって、現代を相対化する視座を得ることの意味や価値を考察した。また、受講者の「言葉自覚」「言葉の意識的な運用力」「言語化能力」を育成する「場」としての古典の学びの可能性を究明した。受験を目的としない「古典を読む、古典に親しむ」意味とは何なのか。千年も前の物語を読む必要性とは何かを検討することで、小中高大のみならず生涯教育における古典の学びの可能性を追究した。
Creators : Bando Tomoko
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 11:56:21
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 101 - 106
published_at 2024-01-31
オンライン学習が急速に普及する中、ビデオ教材は教育分野において重要なツールとなっている。しかし、ビデオ制作には時間とコストがかかり、高品質なコンテンツを作成・更新することが難しいという課題が存在する。本論文は、これらの課題に焦点を当て、新しいアプローチを提案する。本論文ではHTML5を活用した新しい教材作成システムを紹介し、その特徴を解説する。この教材システムはスライドショー形式を採用し、静止画、解説、音声合成を組み合わせることにより。教材の修正を容易にしている。またブラウザ上で動作するので、さまざまなデバイスからアクセス可能である。これにより、ビデオ教材の制作・提供における効率性と柔軟性の向上が期待できる。本論文のシステムは、オンライン学習の未来に向けた教育技術の発展に貢献し、教育分野の変革に寄与する新たなアプローチを提供することを目指している。
Creators : Kitamoto Takuya
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 09:32:27
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 91 - 100
published_at 2024-01-31
現在、様々な機械学習手法が考案され、比較的簡単に使うことができるようになっている。前回の研究[1]では、手の動作識別やそれを利用したカーソルの動きについて、深層学習を用いて学習回数が少なく高精度に識別する手法を用いたが、本研究ではその他の機械学習手法ではどうなのかを調査する。一つ一つ機械学習の手法を試していくのは、時間がかかるため、かなりの部分を自動化し、複数のモデルを比較できるPyCaretというPythonのライブラリを用いて実験を行う。PyCaretは、環境によってインストールに少し時間がかかることもあるが、それ以上に自動化によって受ける恩恵は大きい。PyCaretを使い、性能が高いモデルを探索し、それを使って 3動作識別を行うことで、遅延が少なく正確なカーソル操作を目指す。本手法では動作識別のたびに再学習が必要となるが、比較的シンプルな構成でコストも低いことから、筋電義手への応用に有用ではないかと考えられる。また、今回も前回の研究[1]を引き継ぎ、Arduino Uno R3 やMyoWare筋電センサといった安価で、手軽に実験できる機器を用いる。
Creators : Ito Masataka | Kitamoto Takuya
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 09:25:32
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 79 - 90
published_at 2024-01-31
高等学校理科物理分野で学習する音のドップラー効果について、五感を用いた『定性的理解』と1波長の長さを時間に換算し、その波長の変化を具体的に比較する『定量的理解』の双方からドップラー効果の理解度向上に寄与する教材の提案並びに定量的評価を行った。実験教材には音源を等速直線運動させる方法を採用することにより、音源を円運動させた場合に発生する「うなり」の影響を無効化させ、さらに、日常生活における救急車の接近・離反の現象体感を容易に再現することが可能となった。ステッピングモーターを動力として音源を高速移動させることにより、『聴覚的』に音の高さの変化を体感し、同時に観測した波形から『視覚的』に1波長の長さの変化を捉えることを通して、ドップラー効果の原理を理解するための学習に結びつけることが期待できる結果を得た。
Creators : Ishida Yutaro | Shigematsu Hirotake
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-16 09:17:59
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 67 - 78
published_at 2024-01-31
小学校第五学年理科の単元「電流がつくる磁力」における『電磁石』に注目し、児童の電磁石の 特性に関する理解度向上を目指した教材の開発及び定量的評価を行った。検定教科書に記載されて いるコイルを構成するエナメル線の直径条件0.3~0.6 mmを含む広範囲(直径0.1~0.8 mm)のエナ メル線を用いて、磁力、温度変化並びに流れる電流値を測定し、教材に適した条件の検証を行った。 磁力においては従来用いられている釘・クリップ・ワッシャーといった鉄製品が引き付けられる個 数を比べることに加え、テスラメーターを用いたコイル断面(質点)における磁束密度の定量的測 定を行った。さらに、乾電池の内部抵抗の影響を明らかにするために直流電源装置、アルカリ乾電 池、マンガン乾電池という異なる3つの電源を用いた比較測定を行い、内部抵抗の存在そのもの並 びに乾電池の劣化に伴う内部抵抗の増加がどのくらい磁力に影響を与えるかを具体的に明らかにし た。得られた結果を総合的に評価することにより、乾電池1個分の起電力である1.5 Vの電圧を使用 する条件下においては、直径0.5 mmのエナメル線(長さ10 m)を用いることが最も適していると いう結論に至った。
Creators : Kawanami So | Shigematsu Hirotake
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 17:25:22
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 57 - 66
published_at 2024-01-31
教育において問いは極めて重要である。問いについては多くの理論的、実践的な研究の成果があ る。しかし、これらの研究では問いとはどのようなものであるかなどの原理的な考察を欠く。その ため、問いは学習者にとって探究すべきものではないこともある。つまり、問う者が不在なのであ る。実存論的とは、問う者であるわれわれのあり方から考察することである。さらに、問う者であ るわれわれは真理を求める。実存論的な真理は自己との関係によって明らかにされる。以上から次 の3点について論じている。第1に、日常的実践としての問いは、実践に埋没していることである。 第2に、科学的認識としての問いは、客観的真理に呪縛されることである。第3に、本来的実存の 可能性としての問いである。本来的実存は、自己と世界の関係において真理を問うこととなる。そ のため、自己と世界の関係性を問い直し新たな実践を作り出す可能性を秘めることになるのである。
Creators : Tamoto Shoichi
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 17:19:24
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 49 - 56
published_at 2024-01-31
本研究の目的は、教員のジェンダー観や校種、および性別により、児童生徒への意識や関わりに 違いがあるかについて、児童生徒側の性別も合わせて検討することである。対象は小中学校の教員 123名(小学校男性27名、小学校女性53名、中学校男性24名、中学校女性19名)で、2022年12月に 質問紙調査を実施した。質問紙の構成は、「役割分業観」と、男女の児童生徒それぞれに対する「生 徒への抵抗感」「指導上の困難感」であった。分析の結果、小学校男性教員は女子児童への関わり は難しいという意識が高い可能性があること、小学校女性教員は男女区別なく接している意識が高 いことが考えられた。また、中学校教員は男性教員・女性教員いずれも同性の生徒に関わりやすさ や理解しやすさを感じている可能性が示唆された。
Creators : Kasuga Yumi | Tsuchiya Namiko | Nagaya Kazuhisa
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 17:11:10
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 41 - 47
published_at 2024-01-31
In science classes, the use of a microscope evokes an enthusiastic and exciting response from students. When students attempt to gain an understanding of the size of samples under a microscope, micrometers of two types are generally required to measure sizes. An eyepiece micrometer contains an attached eyepiece lens, while a stage micrometer is placed on the stage to provide accurate information pertaining to length. When the magnification of the objective lens is changed, the scale of the eyepiece micrometer is changed. Hence, we need to measure the scale of the eyepiece micrometer before observation for each magnification. However, students can find this principle difficult to comprehend when calculating the ratio. In this study, we introduced teaching material demonstrating the eyepiece micrometer using a kitchen towel wick in an effort to explain the principle of scale when using a microscope. This approach should prove useful in helping to clarify the principle using simple material that students can easily make themselves. Finally, this method should facilitate an understanding of difficult concepts by encouraging students to experience changes in image size from different perspectives using familiar materials, or in other words, elements of “STEAM”.
Creators : Kitazawa Chisato | Yamanaka Akira
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 17:01:57
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 31 - 40
published_at 2024-01-31
昨今,校則の見直しの動きが加速するなかで,校則の内容や必要性を理解するためには,各校則の制定理由を理解し,子どもと学校が互いに納得していることが重要であると考える。本研究では「小学校の校則に複数の制定理由を想定し『校則の種類』や『個人特性』が校則の制定理由に対する納得の程度に与える影響を検討する」ことを目的する。これにより,校則に関する学校の説明責任を果たす一助となることに加え,各学校の校則が「社会通念上合理的と認められる範囲」であるかどうかを再考するきっかけになることを期待する。また,アンケート調査の回答を基に分析した結果により,どの理由においても納得しにくい校則について,当該校則の必要性の再考を提案した。
Creators : Takahashi Kyosuke | Ono Fuminori
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 16:16:28
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 27 - 30
published_at 2024-01-31
本研究では顔の記憶課題成績と自閉傾向との関連の有無を調べた。実験の結果,自閉傾向全体の得点と顔記憶の再認課題成績についての関連は見られなかった。また,自閉傾向尺度の下位尺度の一つである「注意の切り替え」については,制限のない実験と概念情報によって記憶する実験において,注意の切り替え得点が高い群の方が成績が高かった。本研究の結果から再認記憶課題成績と自閉傾向得点との関連は見られなかったが,注意の切り替えの部分においては顔の記憶課題に影響がある可能性が示された。
Creators : Mito Harumi | Ono Fuminori
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 16:10:27
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 23 - 26
published_at 2024-01-31
本研究では“あがり”を軽減する要因として練習量を調整要因として,さらに,楽観主義傾向と悲観主義傾向に着目し,これらの要因が“あがり”意識と課題遂行に与える影響について検討した。その結果,練習量が多い条件では少ない条件と比較して課題遂行における失敗数が少なかったものの“あがり”意識に変化はみられなかった。練習量と楽観主義,また練習量と悲観主義の分散分析の結果,優位な差はみられなかった。また練習量が多いことにより楽観主義と“あがり”意識を構成する因子の1つである責任感に負の相関がみられた。以上より,楽観主義傾向の者には量の多い練習が“あがり”意識の軽減効果を持つ可能性があることが示された。
Creators : Kato Wakana | Ono Fuminori
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 15:59:44
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 15 - 22
published_at 2024-01-31
本研究では、公立小学校通常の学級に在籍する児童1名を対象とし、授業に参加しない離席行動を減少させ、授業に参加する行動がより生起(増加)するように、長期研修派遣教員と行動コンサルテーションを実施し、その効果等について検討することを目的とした。離席行動等に関するアセスメントの後、同校教員9名の協力によって作成されたストラテジー・シートに基づき、支援員も同席するフィードバック機会の設定、学級全体への支援と個別の支援の並行実践、複数の機能に対応する行動支援の同時、段階的導入を行った。それらにより、離席行動は激減し、授業に参加する行動が増え、担任の負担感も軽減した。このような結果をもたらした要因として、行動コンサルテーション実践(1)に引き続き設置した垂直サインによる提示方法、担任に対する支援案にアレンジを加えることも可とした配慮等が挙げられ、当研究で実施された行動コンサルテーションの有効性が示された。
Creators : Matsuoka Katsuhiko | Okuda Kaori
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 15:29:19
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 5 - 13
published_at 2024-01-31
本研究では、公立小学校通常の学級に在籍する児童1名を対象とし、大声による授業妨害行動を減少させ、発言のルールを守って学習に取り組む行動がより生起(増加)するように、長期研修派遣教員と行動コンサルテーションを実施し、その効果等について検討することを目的とした。大声による授業妨害行動に関するアセスメントの後、介入では、行動問題の生起が少ない教科における担任教師の児童に対する行動を介入案とすること、それを端的な言葉で表現した「担任支援カード」を設置する工夫等を行った。その結果、大声による授業妨害行動は減少し、担任教師の話を黙って聴く、待つなどの行動が増加した。このような結果をもたらした要因として、第3者による直接行動観察に基づく行動問題の機能同定、担任教師の技能を生かす介入案、垂直サインによる提示方法が有効であったことが示され、校内におけるコンサルテーションの有効性が示唆された。
Creators : Okuda Kaori | Matsuoka Katsuhiko
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 15:19:32
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
pp. 1 - 4
published_at 2024-01-31
電解質を水に溶解する際、体積の加成性は破綻し、その体積変化の程度は電解質の種類によって異なる。これは主にイオンの大きさと電荷の違いにより、水和構造に違いが生じることによる。学校でも実施可能な簡単な実験によって電解質の溶解における体積変化の非加成性を確認できれば、水分子がイオンに結合して形成される水和イオンの構造や水分子の集まり方などを原子レベルで推論することが可能と考える。そこで、電解質を水に溶解させたときの体積変化を定量的に測定できる簡便な実験を考案し、いくつかの電解質を用いて実験を行った。その結果、電解質の違いによるわずかな体積変化の違いも定量的に測定することができた。それらの実験結果を用いて計算した各イオンのみかけの部分モル体積も、これまで報告されてきた値と調和的な結果を得た。
Creators : Waizumi Kenji | Kita Kazuki
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Updated At : 2024-02-15 14:18:54