キャパシタンスを計算する方法には,グリーン関数積分方程式法以外に有限要素法(2),差分法(3)がある。これらのうちグリーン関数積分方程式法は、計算に用いるセルが物体の表面だけで済む点で有利である。以下,グリーン関数積分方程式法の概要を述べ,次にこの実現方法を述べる。 2.1グリ-ン関数積分方程式法の概要 導体表面S'に電荷が密度σ(r')で分布するとき位置ベクトルrでの電位VRは次式(1)で示される。 VR=∫sG(r,r')dS' G(r,r')=1/(4πε_o|r_r'|)……(1) 式(1)のr'に関する積分の範囲をセル毎(j=1,2,…,n)に分割してさらに両辺をセルI内で積分すると次式(2)になる。 ∫_<セルI>VRdS=Σ^^n__<j=1>(Q_j/S_j)∫_<セルI>∫_<セルj>G(r,r')dS'dS……(2) ここで,Q_jはセルjの電荷,S_Iはセルjの面積,r,r'はそれぞれセルI,j内の点の位置ベクトルである。式(2)からセルIの電位V_Iは次式(3)になる。