棋野川は山口県中部を瀬戸内海側に流れる河川で、その規模は県下河川20本の内10位(流路延長)に当る中規模の河川である。格野川には貯水池としての人工ダムはなく、一部で砂利採集が行われている程度で、河川の原形は保持しているが河川の荒癈はまぬかれない。筆者は1960年から1%3年にわたり河口附近を除く本河川の魚類調査を行い、1969年に河口を含めた全河川を調査し、魚類相の概略を知り得たので報告する。本研究に当り御懇切な御指導を賜り、かつ原稿の御校閲をいただいた本学教授片山正夫博士ならびに調査および採集に当って御協力いただいた次の方々に心から感謝の意を表する。山口県庁水産課長瀬戸田三郎氏棋野川漁業協同組合理事高石 敏夫氏本学々生福原修二君、原章夫君、竹内芳雄君、新谷剣二郎君 叉本学々生で初期(1960~1963年)の調査採集を共にし、他日島根県高津川へ単身採集にでかけ不慮の事故に合い帰らぬ人となった故山田孝爾君の生前の御協力を心から謝す