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results 1377 items
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本研究では、TNF-αを含む炎症性サイトカインが音響障害による難聴に関連していることを踏まえ、TNF-αを標的とするモノクローナル抗体であるアダリムマブが、激しい音響への暴露から内耳を保護する可能性を検討した。本研究では、アダリムマブをマウスに投与し、内耳への影響を評価するとともに、アダリムマブの内耳への移行、聴器毒性、音響暴露への影響に関する実験も行った。実験結果から、アダリムマブは投与後に蝸牛に部分的に到達したが、音響暴露に対する感受性を高め、内耳での有毛細胞の損失が増加したことが示された。TNF-αは潜在的な治療標的になりうると考えられていたが、本研究結果からはTNF-αの過剰な抑制が内耳に悪影響を与える可能性があることが示唆された。本研究では、抗マウスTNF-α抗体の代わりに抗ヒトTNF-α抗体であるアダリムマブを使用したことや、内耳の保護を改善するために他のサイトカインの抑制を検討する必要性があることなど、いくつかの限界があることを認識している。結論として、アダリムマブの投与は、おそらく過度の TNF-α抑制により、音響暴露に対する内耳の感受性を高め、より重大な有毛細胞の損傷を引き起こす可能性があることが判明した。
Creators : 山本 陽平
目的:日本人のジェノタイプ1型C型慢性肝炎患者を対象に、異なる肝臓の線維化ステージで治療を開始する場合の、3 種類の直接作用型抗ウイルス薬(DAA: sofosbuvir-ledipasvir(SL)、glecaprevir-pibrentasvir(GP)、elbasvir plus grazoprevir(E/G))における費用対効果の評価を行うことを目的とした。 方法:異なる線維化ステージで適用される治療戦略の費用対効果を評価するために、線維化ステージの進行を反映した判断モデルを作成した。すなわち、線維化ステージに関係なく全ての患者を治療する戦略(TA)、肝線維化進行の4つのステージ以上の患者を治療する戦略(F1S:ステージF0 では治療を控え、ステージF1以上の患者に治療を開始、同様にF2S、F3S、F4Sではそれぞれのステージ以上の患者に治療を開始)、抗ウイルス剤治療を行わない(NoRx)の6つの治療戦略を比較した。費用対効果は、一生涯の時間水平で、日本における医療保険支払い者の視点で検討を行った。 結果:基本分析では、線維化が進行したステージF2の患者で治療開始する戦略(F2S)と比較して、全ての患者への治療を行う戦略(TA)において、SL、GP、E/G それぞれの質調整生存年(QALY)の増加分は0.32〜0.33であった。また、QALYあたりの増分費用効果費(ICER)はそれぞれ、24,320 米ドル、18,160 米ドル、17,410米ドルであった。費用対効果許容度曲線では、50,000米ドルの支払意思閾値においてTAが最も費用対効果が高く、3つのDAAともその支払意思閾値以内であった。 結論:日本人のジェノタイプ1型C型慢性肝炎患者において、線維化ステージに関係なく、すべての患者へ直接作用型抗ウイルス薬治療を行うことが、通常の条件下では費用対効果に優れていることが示唆された。
Creators : 末永 利一郎