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Different degree of loss-of-function among four missense mutations in the EDAR gene responsible for autosomal recessive hypohidrotic ectodermal dysplasia may be associated with the phenotypic severity

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[abstract] 2.82 MB
DT11101671_FullText.pdf
[fulltext] 13.3 MB
Title
常染色体潜性(劣性)遺伝の低汗性外胚葉形成不全症の原因となるEDAR遺伝子の4つのミスセンス変異の機能喪失の程度の違いは、表現型の重症度と相関している可能性がある
Different degree of loss-of-function among four missense mutations in the EDAR gene responsible for autosomal recessive hypohidrotic ectodermal dysplasia may be associated with the phenotypic severity
Degree 博士(医学) Dissertation Number 医博甲第1671号 (2023-03-16)
Degree Grantors Yamaguchi University
[kakenhi]15501 grid.268397.1
Abstract
本研究では、特定の遺伝子型と表現型との関連を明らかにするために、EDAR遺伝子の潜性(劣性)変異に着目し、その特徴を詳細に検討した。具体的には、過去にEDARのDD内に同定された潜性(劣性)遺伝形式を示す4 種類のミスセンス変異(p.R358Q、p.G382S、p.I388T、p.T403M)について、培養細胞での過剰発現系で一連の解析を実施した。これらの変異の中で、p.R358QはEDARADDとの結合能を失い、下流のNF-κB活性を低下させることが知られており、機能喪失の陽性対照として用いた。
まず、細胞溶解液を用いたwestern blot法では、p.R358Qおよびp.T403M変異型EDAR蛋白は野生型EDAR蛋白よりも発現量が減衰し、より大きい分子量を示した。一方で、p.G382Sおよびp.I388T変異型EDAR蛋白は野生型EDAR蛋白と同様の発現パターンを示した。また、各EDAR蛋白の細胞内での局在を解析するために実施した蛍光免疫染色法では、野生型EDAR蛋白と同様にp.G382Sおよびp.I388T変異型EDAR蛋白は細胞質内に局在が認められたが、p.R358Qとp.T403M変異型EDAR蛋白は細胞膜に発現していた。これらの結果から、変異型蛋白間で発現パターンが異なることが示された。続いて行ったNF-κBレポーターアッセイでは、すべての変異型EDAR蛋白がNF-κBの活性化を抑制したが、p.R358Qとp.T403M変異型EDAR蛋白に比べ、p.G382Sとp.I388T変異型EDAR蛋白による抑制効果は軽微であった。EDARとEDARADDの結合を検討した共免疫沈降法では、p.R358Qとp.T403M変異型EDAR蛋白はEDARADDとの結合能を完全に喪失していたが、p.G382Sとp.I388T変異型EDAR蛋白は、ある程度結合能を維持した。これらの解析で、p.G382S変異型EDARの機能喪失の程度は最も軽度と考えられた。
過去の研究で、野生型EDARはTRAF6とは直接結合しないことが報告されており、本研究で実施した野生型EDARとTRAF6間の共免疫沈降法でも同様の結果が得られた。しかしながら、驚くべきことに、本研究で解析した全ての変異型EDAR蛋白はTRAF6と直接結合する性質を示した。
培養細胞での過剰発現系においては、機序は不明だがEDAR蛋白を含む種々のTNF受容体が細胞質内に発現する傾向を示すことが知られていたことから、p.R358Qおよびp.T403M変異型EDAR蛋白の細胞膜への局在は異常な発現パターンと考えられる。NF-κBレポーターアッセイおよび共免疫沈降法の結果から、各変異型EDAR蛋白とEDARADDの親和性はNF-κB活性低下の程度と強く相関することが示唆された。今回解析した4 種類のミスセンス変異は、いずれもEDARの機能や構造に重大な影響を与えると複数のデータベースで推測されていたが、各データベースのスコアは4つの変異の間で非常に類似していた。すなわち、現在の予測ツールの解析能力には限界があり、本研究のように実際に発現・機能解析を行う重要性がハイライトされたといえる。
4種類の変異型EDAR蛋白に共通する唯一の現象は、野生型EDAR蛋白がEDARADDを介して間接的にTRAF6と相互作用するのに対し、TRAF6と直接結合することである。これは、変異型EDAR蛋白がEDAR、DARADD、TRAF6からなる正しい蛋白複合体を形成できないことを示唆しており、EDAR遺伝子変異に起因するHEDの鍵となっている可能性があるが、本現象の病的意義を解明するためには今後のさらなる検討を要する。
本研究で得られた結果に基づき、各変異を機能喪失の度合いで評価した。R358QとT403Mを「重度」、p.I388Tを「中等度」、p.G382Sを「軽度」とした。各変異を報告した文献に提示されていた表現型と比較検討した結果、EDAR遺伝子変異の機能喪失の程度がHEDの重症度と相関している可能性が示唆された。
Creators 八木 献
Languages jpn
Resource Type doctoral thesis
File Version Version of Record
Access Rights open access
Relations
[references] 10.1111/1346-8138.16610
Funding Refs
Japan Society for the Promotion of Science [crossref_funder]https://doi.org/10.13039/501100001691
Award Analysis of pathomechanisms for ectodermal dysplasia with a multilateral approach 18K08269