New BBB model reveals that IL-6 blockade suppressed the BBB disorder, preventing onset of NMOSD
Title
新規BBBモデルを用いた, IL-6受容体阻害薬のBBB破綻抑制とNMOSD再発予防効果の検討
New BBB model reveals that IL-6 blockade suppressed the BBB disorder, preventing onset of NMOSD
Degree
博士(医学)
Dissertation Number
医博甲第1650号
(2022-03-16)
Degree Grantors
Yamaguchi University
[kakenhi]15501
grid.268397.1
Abstract
新規ヒトin vitroおよびex vivo BBBモデル,in vivo モデルを用いて,NMOSDの病態生理とサトラリズマブの作用機序を,BBB破綻の点から検討した.血管内皮細胞に対するペリサイトおよびアストロサイトの足突起の接触を再現した3層共培養系を構築し,これを用いて静的in vitroモデルおよび流速負荷型ex vivoモデルを作製した.これらのBBBモデルを使用し,バリア機能の持続測定,白血球のmigration,NMO-IgGとサトラリズマブのBBB透過性を評価した.In vivo研究では,脊髄中でIL-6が著増するEAEマウスのin vivoでのBBB破綻に対して,マウスIL-6受容体抗体MR16-1が与える効果を評価した.In vitroおよびex vivoでの実験では,NMO-IgGがサトラリズマブおよびNMO-IgGの脳内透過性を亢進させること,サトラリズマブがNMO-IgGが誘導するT細胞のmigrationとBBB破綻を抑制することが示された.In vivo研究では,IL-6シグナル伝達の阻害によって,T細胞の脊髄への浸潤が抑制され,脊髄炎の発症が抑えられた.これらの結果から以下のことが示された.(1)我々が作製した,3層共培養によるin vitroおよびex vivo BBBモデルは,バリア機能,白血球のmigration,脳内移行性を評価するために理想的なBBBモデルである.(2)NMO-IgGは,バリア機能の減弱によってNMO-IgG自身の透過性を亢進し,アストロサイトからのIL-6分泌を誘導し,さらなるバリア機能の障害と細胞浸潤の制御破綻を引き起こす.(3)サトラリズマブは,NMO-IgGの共存下でBBB通過が容易となり,BBB機能障害と炎症細胞浸潤を抑制する結果,NMOSDの発症を予防する.
Creators
藤川 晋
Languages
jpn
Resource Type
doctoral thesis
File Version
Version of Record
Access Rights
open access