Serial changes in the quantitative flow ratio in patients with intermediate residual stenosis after percutaneous coronary intervention
Title
経皮的冠動脈インターベンション後患者における中等度残存狭窄の定量的冠血流比の経時的変化
Serial changes in the quantitative flow ratio in patients with intermediate residual stenosis after percutaneous coronary intervention
Degree
博士(医学)
Dissertation Number
医博甲第1634号
(2022-03-16)
Degree Grantors
Yamaguchi University
[kakenhi]15501
grid.268397.1
Abstract
中等度の冠動脈狭窄病変において、血行再建治療を延期(defer)し薬物療法を行った場合、薬物療法中に心血管イベント発症抑制効果を評価する代用評価法があれば有用である。冠動脈イメージングでプラーク退縮と安定化を調べることで薬物治療効果を評価するのと同様に、定量的冠血流比(QFR)の経時的変化は、deferした中等度狭窄に対する薬物治療効果を評価する代用評価法として有用な可能性がある。本研究では、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に未治療血管に冠動脈中等度残存狭窄を有し二次予防として薬物治療を受けた患者で、deferした中等度残存狭窄のQFRの経時的変化を調査した。山口大学医学部附属病院と萩市民病院でPCIを施行され、PCI(ベースライン[BL])時に未治療血管に中程度狭窄を有し、6~18ヶ月後にフォローアップ(FU)の冠動脈造影が施行された患者を対象とした。52人の患者でBLとFUの両方で未治療血管の中程度狭窄のQFRの解析が可能であった。BL時にQFRの中央値は0.83(IQR, 0.69, 0.89)、FU時にQFRの中央値は0.80(IQR, 0.70, 0.86)であった。QFRの増加した患者(QFR増加群)は21人で、QFRの減少した患者(QFR減少群)は31人であった。経時的なQFR変化の中央値はQFR増加群で0.05(IQR, 0.03, 0.09)、QFR減少群で-0.05(IQR, -0.07, -0.03)であった。単変量および多変量解析でQFRの増加に影響する因子を解析したところ、FU時のLDLコレステロール値と相関を認めた(OR 0.95, 95% CI [0.91, 0.98], p=0.001)。QFRの経時的変化の評価は、deferした中程度狭窄を有する患者に対する薬物治療効果を判定する代用評価法として有用性が示唆された。
Creators
竹中 仁
Languages
jpn
Resource Type
doctoral thesis
File Version
Version of Record
Access Rights
open access