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Journal of higher education Volume 20 pp. 54 - 57
published_at 2023-03
毎年,工学部新入生に入学前に数学学力テスト(数学プレースメントテスト)を行い,学力・理解度に応じてクラス分けを行っている。直近12年間の工学部新入生学力テストの結果をまとめた。毎年約600人の工学部全新入生を数学学力テスト結果から成績上位と下位の二つに分ける。学力下位約25%の学生は入学後週2回の数学授業を受講し学力を高める事になる。平均点は60-80点,3年周期で推移した。学生の得点は概ね7割以上であるが得点分布幅が大きい。また得点が6割以下の学生が約25%であり12年間で変化はなかったことから,クラス分けは概ね妥当であると思われる。令和3年度大学共通テストから入試問題傾向が変更になった。入試問題傾向と数学学力テストの関連について検討してみた。数学学力テストの結果は令和3年度以前と以降の成績とでは有意差は無かった。
Creators : Kinoshita Makoto | Fujiwara Isamu | Yanagihara Hiroshi | Yanagishita Masahiro Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-23 15:17:05
Journal of higher education Volume 20 pp. 1 - 10
published_at 2023-03
DXは様々な分野に広がり,その人材育成が大学教育に求められている。DX人材とIT 人材との違いを明確にすることを目的とし,DX の理解ポイントを示した。ここで強調したのは,DX人材が特に身に着けるべきなのはデジタルの知識ではなく社会人基礎力ということである。企業におけるDX事業例を調査し,その調査結果の分類より,DX人材育成教育における事例分析用の教材としてDX推進の段階を提案した。また目的達成のイメージであるDX像を描く方法とその作成のための教材シートを提案した。
Creators : Tsuji Tamon | Matsuno Hiroshi Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-23 13:33:57
Journal of higher education Volume 20 pp. 66 - 68
published_at 2023-03
大学は教育研究機関であり化学物質を使う機会も多い。教育・研究活動を安全に実施するためには,化学物質に関する安全管理やその能力を付与する安全教育は重要である。2022年に公布された化学物質規制に関する法改正では,比較的少数の個別的化学物質の詳細な法規制遵守を重視する規制から,「リスクアセスメント」を基軸とする多数の化学物質の「自律的管理」重視の規制への移行が示された。この改正の内容に鑑み,現状の本学の化学物質体制では不十分と考えられる点は新たに見直す必要がある。改正法の中での特徴の一つに安全教育の徹底が求められている。これまで本学でも安全教育は各部局や各部署,研究室単位では随時行われていたが,令和4 年度は,新たに全学規模の講習会として,化学物質関連の法改正の説明,実際の化学物質管理,本学での化学物質管理支援システムの使用説明,に加えて外部の山口県警から化学物質を爆発物,を開催した。今回,実施した安全講習会のテスト理解度の結果と今後の化学物質管理体制及び安全教育についての方針をまとめてみた。
Creators : Fujiwara Isamu | 森本 宏志 | Kondo Kei Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-23 15:42:50
Journal of higher education Volume 20 pp. 11 - 19
published_at 2023-03
障害等のある学生への情報保障として音声認識技術の活用が進んでいる。音声認識技術を有効活用するためには誤変換の対応が重要となる。同時に授業等の情報は音声のみではないことから、他の資料などの情報を的確に組み合わせることで授業情報の理解度は向上するはずである。 本稿では、情報の提示の仕方と理解度の相関関係を確認するためにアンケート形式の検証を実施した。アンケート調査結果と音声認識結果とを組み合わせて分析を行ったところ、情報量と理解度は比例する傾向にはあるものの絶対ではなく、正確な情報を適切な方法で提示する必要性が明らかとなった。加えて、有効な情報提示は、誤認識を補正するためにも有効であると指摘できる。
Creators : Okada Nahoko | Morioka Ryuji | Suto Kunihiko Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-23 13:35:51
Journal of higher education Volume 20 pp. 44 - 53
published_at 2023-03
コロナ禍で入試広報に大きな変化があった。本稿では入学時調査をもとにコロナ禍前とコロナ禍での進路選択の状況や進路選択におけるコロナの影響と入試広報への接触状況を明らかにする。進路決定時期に志願者が進路選択に迷った時には,大学から発した情報や身近な人からの情報が非常に重要である。入試広報は,大学から発信する情報をいかにして周知するかが課題である。
Creators : Takemoto Marie | Hayashi Hiroko Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-23 15:05:57
Memoirs of the faculty of engineering, Yamaguchi university Volume 73 Issue 2 pp. 17 - 28
published_at 2023-03
Taxonomic classification of whole eukaryotes using conserved proteins or nucleotide sequences that are used as criteria looks convenient and easy. However, these methods may not be reliable to long evolutionary history if their function is developed or degenerated in their life history. The sequence-based classification methods depending on the functional conservation may cause unknown bias. In this study, we propose novel classification using intron positions in a gene, which are not related to function. Intron positions of highly conserved ribosomal protein RPS13 gene were selected as novel criteria for the classification of whole eukaryotes from lower unicellular amoeba, algae, and flagellates to plants and animals. RPS13 gene encodes 151 amino acids and possesses 453 bp exon sequence in many eukaryotic organisms. The intron positions are determined based on their coding exon sequences, in which all the introns are designated by the positions from the first nucleotide of the start codon and the position numbers are attached with ‘i’ for intron indication. For example, human RPS13 gene contains introns at the positions of 24i, 73i, 152i, 322i, and 423i sites on the coding sequence. Interestingly, all the Deuterostomia animals including starfish, leech, and octopus showed the same intron positions to human. Similarly, all the land plants showed 24i, 97i, 236i, and 423i positions. In lower unicellular eukaryotes, which showed nonintron or variety of positions, only amoeba Lenisia limosa has the intron position of 152i site and Chlorophyta Pedinophyceae sp. has single 97i position, suggesting that they may be the ancestral organisms of animals and plants, respectively. As a conclusion, intron positions of RPS13 gene can be used as a guide for the taxonomic classification of eukaryotic organisms
Creators : Ebe Satoshi | Kunishige Haruna | Chajima Kengo | Nakamura Hitomi | Nakamura Yuki | Hayashi Chise | Hirakawa Haruka | Yamaji Keisuke | Hoshida Hisashi | 赤田 倫治 Publishers : 山口大学工学部 Updated At : 2023-03-20 16:56:19
Journal of higher education Volume 20 pp. 20 - 29
published_at 2023-03
本研究では,在日留学生を対象に「目上の人との接し方」および「外国人に不慣れな日本人との接し方」に焦点を当てたソーシャルスキル学習を試み,その効果を検証した。その結果,ロールプレイを用いた練習により,行動レパートリーの拡充と日本人との交流意欲の高まりがみられた。スキル学習から1ヶ月後のフォローアップ調査では,学習したスキルの現実場面での実践や文化学習への動機づけの向上が確認できた。異文化適応支援としてのソーシャルスキル学習の効果が示唆された。
Creators : Nakano Sachiko | Tanaka Tomoko Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-23 14:15:56
Journal of higher education Volume 20 pp. 83 - 91
published_at 2023-03
2021 年5月、就職相談を「就職相談・キャリア相談」へと変更した。コロナ禍で疲弊する学生たちの学生生活を含めたキャリア支援を明確にするためである。学生の相談ニーズは様々である。きっかけはエントリーシート添削であっても、主訴は生活苦であったり、学業への意欲喪失であったりである。必ずしも就職だけではない多様な状況への対応が必要とされ、その体制を整備してきた。就職支援室の相談は、就職活動の方法を教えるだけではなく、悩みに寄り添うだけでもない。ライフキャリアの観点からその両方に取り組む。適切にアドバイスをしながら、未来への一歩をアシストすることが求められる。
Creators : Hirao Motohiko Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-29 14:13:29
Journal of higher education Volume 20
published_at 2023-03
Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-23 13:22:05
Memoirs of the faculty of engineering, Yamaguchi university Volume 73 Issue 2 pp. 10 - 16
published_at 2023-03
This is the final part of the series of a case study on translation of a dubbed film from Japanese into English on a Cognitive Linguistics perspective. Focusing on Venuti' s (1995, 2013) domestication and foreignization in translation, Sadamitsu (2020) analyzed the gaps in language / culture and in time between the source and the target text of translation, and demonstrated that domesticated samples were found far more than foreignized ones in order to fill the gaps far more in language / culture than in time. Sadamitsu (2022) went on to conduct more precise analyses on how the translators have dealt with the gabs between the two languages by closely looking at their domesticating strategies for English readers/audience of the film. Specifically, their coping strategies of adding / deleting information of the source text were discussed there. And this paper will examine that of changing information of the source text, which was left untouched in the former papers, to conclude the research series. It will be also discussed here that translation activities are conducted under a powerful and invisible pressure which forces the translators to domesticate the contents more acceptable in the translated culture and society, apparently without noticing it.
Creators : Sadamitsu Miyagi Publishers : 山口大学工学部 Updated At : 2023-03-20 12:50:09
Journal of higher education Volume 20 pp. 73 - 82
published_at 2023-03
山口大学は2022(令和4)年度より,STEAM教育の導入を本格的に開始した。この動きの中で,共通教育において重要な役割を担うことになったのが「山口と世界」のSTEAM 科目化である。本稿においては,従来からの「山口と世界」の課題とそれへの対応を振り返るとともに,具体的にどのように「山口と世界」のSTEAM科目化を果たしたか実践例を報告する。また,実践例に則して,新たに生じた課題とそれへの対応を報告し,今後のSTEAM教育(ならびにアクティブ・ラーニング)の改善方策を考察する。
Creators : Kawasaki Masaru Publishers : 山口大学教育・学生支援機構 Updated At : 2023-06-29 13:56:20
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 255 - 264
published_at 2023-01-31
本研究は、範唱音源・伴奏音源が登場した経緯と当初の目的及び事例について論じることを通して、音楽科における伴奏の存在意義と範唱音源・伴奏音源の望ましい活用のあり方について再考することを目的としている。まず、大正末期から急速に台頭した音楽鑑賞教育、鑑賞教育における範唱及び範唱音源の活用について論じることによって、その位置付けについて明らかにした。さらに、伴奏音源の始まりと変遷について論じ、初のカラオケレコードが「教育用」小学校伴奏レコードであったことや目的を踏まえ、伴奏の存在意義、範唱音源・伴奏音源の活用方法を再考した。その結果、現在のように伴奏の代替として音源を使用するのではなく、教師によるピアノ伴奏が前提とされていたこと、音源の鑑賞を通して曲趣を味わい、批評の眼を養っていたことが明らかになった。
Creators : Takahashi Masako | Matsumoto Riki | Takahashi Kana Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-09 16:47:05
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 247 - 253
published_at 2023-01-31
本研究の執筆にあたる白岩、林、脇淵が2021年設立した「山口オペラアカデミー」の活動を題材に、山口地域における音楽振興についての報告と考察を行う。同アカデミーは2022年3月22日に第2回目のオペラに関するセミナーとコンサートを実施した。当日のコンサート来場者に対して実施したアンケートの記述を、「文化的価値」「社会的価値」「経済的価値」という3つの視座を引用し分析と考察にあたった。分析と考察を通して、当該イベントに対して期待されている価値、あるいはイベントが内包する価値が明確になった。今後はセミナー参加者や聴講生、運営など観測範囲を広げることによって、イベント全体の価値についての多角的な検証を行うことが意味を持っていくだろう。
Creators : Shiraiwa Jun | Hayashi Mariko | Wakibuchi Yoko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-08 15:39:06
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 305 - 310
published_at 2023-01-31
日本語の自然会話においては様々な反復現象が見られるが、中でもある話者の発話末尾文にある要素が次の話者の発話冒頭文に現れているような反復現象が観察される。本稿では、そのような会話における反復を「話者間反復」と呼び、話者間反復における「反復発話」の統語的な分析を行う。従来の反復現象に関する研究は、主に反復の機能を探究するものであった。しかし、なぜ話者は反復する要素を特定の箇所に置くのか、どのような箇所に置いて反復をするのかという問題について、未解明である。本稿では、統語的な観点から、反復発話の出現位置について分析する。その際、反復発話に格成分が関わる場合に焦点を置く。その結果、反復する要素は反復発話の文頭により近い位置を指向していることを明らかにした。また、話者間反復が起こる際に、話者間反復の関係にある要素の統語的な近接性の度合いが高いことが判明した。
Creators : Chang Yanli | 有元 光彦 Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-15 13:38:00
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 29 - 33
published_at 2023-01-31
ある物体が人間の顔のように見える現象を顔パレイドリアと呼ぶ。本研究では、顔パレイドリアの表情認知に与える性格特性の影響を調べることを目的として調査を行った。調査協力者は、提示された顔パレイドリア画像と人間の顔画像に対し、5つの感情(幸福、悲しみ、驚き、怒り、嫌悪)をどの程度表しているかを評定した。その後、性格特性(BigFive、共感性)の質問紙に回答をした。調査の結果、人間の顔と比較して顔パレイドリアでは複数の表情認知をしやすく、性格特性のうち特に外向性と関連があることが分かった。さらに、外向性の低い人は驚き画像と怒り画像から幸福の表情を読み取りやすいことが示された。
Creators : Yanagihara Mako | Ono Fuminori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-25 14:58:08
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 199 - 206
published_at 2023-01-31
本研究では、特別支援学校の重度・重複障害学級の卒業生の保護者4名を対象に、卒業後のわが子の実態の変容、在学時にわが子と学校に抱いていた思い、現在に活かされている学び等について聞き取り調査を行った。保護者は卒業後のわが子の状態が安定していることに安堵する一方で、在学時とは異なり目標がなくなったことに物足りなさを感じていたり、卒業後の体調面の悪化を想定しきれなかったことに後悔の念を抱いたりしていた。わが子が健康で楽しく学校生活を送ることを第一に願う点は共通していたが、重度の障害のあるわが子に教科学習や新たなことができるようになることを諦めている者がいた。在学時の教育活動を肯定的に評価する一方で、卒業後の生活環境の制約や介護上の負担から在学時の取組の継続が困難であること、移行先への引継ぎの不十分さを指摘した事例が認められた。これらの課題を踏まえて、重度・重複障害のある子どもへの教育について考察した。
Creators : Kai Natsu | Yanagisawa Akiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-06 11:10:40
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 145 - 154
published_at 2023-01-31
本研究では「コイルのまき数を変えると電磁石の強さはどうなるかを調べる授業」の授業構成について検討し、2時間(45分×2回)の授業(授業①,授業②)を実践し、児童が支持する考え(予想を含む)に関する知見を得た。その結果、授業①を通して、回路に流れる電流について、学級内で児童が支持する考えに違いがある状況から、違いがない状況になり、すべての児童が「コイルのまき数を多くしても、回路に流れる電流の大きさは変わらない」という考えを支持するようになったことが明らかになった。また、授業①、授業②を通して、電磁石の強さについて、学級内で児童が支持する考えに違いがある状況から、違いがない状況になり、すべての児童が「コイルのまき数を多くすると、電磁石の強さは強くなる」という考えを支持するようになったことが明らかになった。その他、考えを支持する主な要因、授業①と授業②の終了時における支持する考えに対する自信の程度についても明らかになった。
Creators : Tsumori Narushi | Saiki Hideto Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-01 16:23:03
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 275 - 283
published_at 2023-01-31
Creators : Horike Yoshitsugu Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-10 16:10:31
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 189 - 197
published_at 2023-01-31
「各教科等を合わせた指導(生活単元学習及び作業学習)」に関する校内研修を実施し、Y大学教育学部附属特別支援学校教員の理解力と指導力の更なる向上を目指した。多忙感を有する教員に身体的・精神的負担を生じさせぬ校内研修にするため、研修はおおよそ月2回(1回約50分間)の開催とし、レジュメを用いつつ、発表(輪番)→協議の順で進めた。発表内容は「各教科等を合わせた指導」に関する文献(論説、実践報告等)である。参加教員は自由意思による7名。研修は計9回(2021.1~2021.6)。変容の有無を客観的に把握するため、(1)山口県教員育成指標(2018)を、知的障害教育の伝統的な指導形態である「各教科等を合わせた指導」の視点から加筆修正して作成した新育成指標に基づく調査、(2)ウェビング・マップに基づく調査、(3)自由記述に基づく調査の三種を実施した。対象教員が7名という少数であるため、確定的なことは言えないが、7名全員に校内研修による変容を見て取ることができた。
Creators : Matsuda Nobuo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-03 16:44:37
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 213 - 221
published_at 2023-01-31
高等学校理科物理分野の中でも現象が視覚的に見えなく(または見えにくく)イメージしにくい単元である『電気と磁気』の中でも「RLC直列共振回路」に注目し、この回路に関する定量的理解度向上を目指した教材開発及びその性能評価を行った。それぞれ複数の抵抗、コイル、コンデンサーの中から選択できる構成を採用し、10~15分程度の短時間で異なる組み合わせによる対比実験が容易にできる教材を製作した。教材を活用した実験を通じて、RLC直列回路における周波数と電圧の関係の具体的な導き方を習得でき、さらに共振特性を定量的に理解することが可能となり、深い学びにつながることが期待できる結果を得た。
Creators : Higuchi Takumi | Shigematsu Hirotake Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-06 16:05:22
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 227 - 235
published_at 2023-01-31
近年の計算機の性能向上やフレームワークの発展により、深層学習が手軽に行えるようになってきた。従来、計算コストの問題や数値化するのが難しかった事象でも、高い精度で回帰や分類などが行えるようになってきている。本稿では、筋電位に注目し手の動作の識別について、深層学習で分類する。実験初期段階では手動で分類していたが、現段階では精度に問題はあるが、リアルタイムで分類することも可能となった。データ取得方法として、ワンボードマイコンの一種であるArduino Unoと簡易筋電センサーのMyo Ware筋電センサーを用いる。 このように、生体信号の一つである筋電位を用いて動作する義手を筋電義手と言い、多方面に渡る応用が期待される分野の一つである。また、筋電位を詳しく理解することによって心拍、脳波、脈拍などの他の信号の理解の助けになると考えられる。
Creators : Ito Masataka | Kitamoto Takuya Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-07 16:33:38
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 183 - 188
published_at 2023-01-31
本研究では、特別支援学校小学部の算数科の個別学習において、自閉スペクトラム症を伴う知的障害のある児童を対象に「少し多く」支払うスキルの形成に向けた指導を行い、その効果を検討することを目的とした。特別支援学校小学部6年生男児1名を対象に、所持金と請求額を比較したときの条件で4つの課題を設定し、補助シートを用いて指導を行った。指導の結果、対象児の「少し多く」支払うスキルが形成された。特に、「〇×〇」(100円玉と1円玉は足りるが、10円玉は足りない)課題や「○○×」(100円玉と10円玉は足りるが、1円玉は足りない)課題においては、補助シートの使用によって正反応率が上昇し、補助シートを撤去した後や所持金を変更した後も正反応率は維持された。一方で、支払いスキルの流暢性や般化、および社会的妥当性の評価については課題が残された。
Creators : Yoshida Nanako | Miyaki Hideo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-03 11:16:11
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 163 - 172
published_at 2023-01-31
本研究は、幼児教育の質が問われる一方で、多くの園で保育についての話し合いや記録の時間の確保が難しく、経験に基づく知見が蓄積されにくいことをふまえ、どの園でも保育者が子どもの姿をもとに保育を振り返り、その保育を言語化する力を身につけていくための取り組みについて論考した。その結果、以下の取り組みを提案した。1.毎日短時間でも時間を確保し、保育の中で心に残ったこと、伝えたいことを話したり書いたりする。2.特に心に残ったエピソードも取り入れた記録を書く。3.エピソードをもとに話し合う機会も設ける。4.言語化が難しい部分は写真も活用する。5.話し合いや記録にSOAPの視点を取り入れ、子どもの姿から経験を読み取り、次に必要な経験を考える思考過程を身につける。5.ALACTモデルによる省察で用いられる「問い」を活用し、保育について子どもの側からも丁寧に振り返り、「子どもにとってどうか」という視点から言語化が促されるようにする。
Creators : Nakashima Hisako Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-02 14:52:04
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 155 - 162
published_at 2023-01-31
明治期までの日本文化は、大陸文化の影響を受けながら徐々にその形を変えてきた。また、時代とともに残された作品の根底には日本人の価値観や精神が反映されており、今でもその美しさに共感することができる。そのような中、明治期の西欧化は、新しい価値観との出会いとともに、大きな変革をもたらした。日本の美術作品においては、新たな美術の文化を取り入れたことにより、融合した作品が生じた。一方、美術教育においては、西洋の価値や技術をそのまま取り入れた。そして、昭和52年の学習指導要領で「我が国の伝統文化」を導入することで、過去の日本美術のよさを改めて掘り起こすこととなった。グローバル化は様々なものが混ざり合うことによって均質化される側面がある。それは、科学技術の進歩とともに加速化している。明治期以降の美術と美術教育におけるグローバル化に視点をあてることで、日本の独自文化について改めて考察してみたい。
Creators : Adachi Naoyuki Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-02 10:52:36
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 67 - 76
published_at 2023-01-31
本研究の目的は、被観察場面で作業を行う際に、観察者が立つ位置を変えることによる、被観察者の不快感情の差異を調べること、また被観察者の性格特性や観察者との関係(知っている人・知らない人・親密性の程度)における関連、被観察者の体感時間との関連を調べることであった。実験では、観察者とお互い知っている人群21名、知らない群11名が参加し、正面、横、うしろの3つの位置から作文課題を行う様子が観察された。実験の結果、被観察者はうしろよりも正面と横から見られた方が不快感情得点は高くなった。また、知っている人群の中でも親密性低群よりも親密性高群の方が、不快感情は高くなった。これらの結果は、被観察場面での不快感情は、観察者が視界に入るか否か、また被観察者の自己呈示や評価懸念によって影響されるという事実から考察された。
Creators : Yamauchi Hiroto | Tanabe Toshiaki Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-26 14:50:13