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publish year2025 - 2029 keyword交換留学生同士 resource typedepartmental bulletin paper
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 本稿では,「相手の言語」へのコードスイッチングが持ち得る機能について,料理場面における交換留学生同士の言語使用をもとに検討した。コードスイッチングとは,複数言語の話者が一つの発話の中で二つ以上の言語を使用することを指す。コードスイッチングが持つ機能に関して,もっとも頻繁に指摘されているのは,話者の言語能力の不足を補うということである。そのため,(より高い能力を持つと目される)自身の母語や,その場の共通言語へのコードスイッチングが焦点化される。しかし本稿では,先行研究におけるこのような焦点化は,それらの研究の多くが(大平,2000; 服部,2001; Hamdan,2023など),コミュニケーションにおける言語比重が非常に高い場面(教室など)を集中的に検討してきた結果であると考える。なぜなら,本稿で分析対象とした,豊富で多様な(言語・言語外の)資源が存在する環境では,自身の母語やその場の共通言語を用いて表現することができる際にも,わざわざ「相手の言語」にコードスイッチングするという現象が見られたからである。  本稿の目的は,コミュニケーションにおける言語比重が比較的低い場面において,「相手の言語」へのコードスイッチングが,なぜ,どのような状況で,どのようなやり取りの中で行われるのかを明らかにすることである。その分析とインタビューを通して,「相手の言語」へのコードスイッチングが持つ機能を検討する。  分析においては,交換留学生がグループで料理する場面及び食事の記録から,「相手の言語」使用場面をすべて抽出し,発話だけでなく,話者の視線,行動,場の状況等を踏まえつつ,伝えたい内容や受け取られた内容などを分析した。  その結果,「相手の言語」へのコードスイッチングが持つ機能として,7点を挙げることができた。そのうち6点は,先行研究で既に指摘されている点と重なりを持つが,残る1点は,管見の限り本稿による新たな発見であると言える。
Creators : Thepbundit Chidchanok Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university Date Issued : 2025-03-01