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騒音誘発性内耳障害に対する抗TNF-αモノクローナル抗体の効果

学位論文及び学位審査要旨(医博乙1111).pdf
[abstract] 1.08 MB
論文全文(医博乙1111号).pdf
[fulltext] 2.58 MB
Title
騒音誘発性内耳障害に対する抗TNF-αモノクローナル抗体の効果
Degree 博士(医学) Dissertation Number 医博乙第1111号 (2024-03-04)
Degree Grantors Yamaguchi University
[kakenhi]15501 grid.268397.1
Abstract
本研究では、TNF-αを含む炎症性サイトカインが音響障害による難聴に関連していることを踏まえ、TNF-αを標的とするモノクローナル抗体であるアダリムマブが、激しい音響への暴露から内耳を保護する可能性を検討した。本研究では、アダリムマブをマウスに投与し、内耳への影響を評価するとともに、アダリムマブの内耳への移行、聴器毒性、音響暴露への影響に関する実験も行った。実験結果から、アダリムマブは投与後に蝸牛に部分的に到達したが、音響暴露に対する感受性を高め、内耳での有毛細胞の損失が増加したことが示された。TNF-αは潜在的な治療標的になりうると考えられていたが、本研究結果からはTNF-αの過剰な抑制が内耳に悪影響を与える可能性があることが示唆された。本研究では、抗マウスTNF-α抗体の代わりに抗ヒトTNF-α抗体であるアダリムマブを使用したことや、内耳の保護を改善するために他のサイトカインの抑制を検討する必要性があることなど、いくつかの限界があることを認識している。結論として、アダリムマブの投与は、おそらく過度の TNF-α抑制により、音響暴露に対する内耳の感受性を高め、より重大な有毛細胞の損傷を引き起こす可能性があることが判明した。
Creators 山本 陽平
Languages jpn
Resource Type doctoral thesis
File Version Version of Record
Access Rights open access