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RAB3Bの発現上昇は肝がんの化学療法抵抗性と転移能に重要な役割を果たす

DT11201105_Abstract.pdf
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[fulltext] 6.16 MB
Title
RAB3Bの発現上昇は肝がんの化学療法抵抗性と転移能に重要な役割を果たす
Degree 博士(医学) Dissertation Number 医博乙第1105号 (2023-02-08)
Degree Grantors Yamaguchi University
[kakenhi]15501 grid.268397.1
Abstract
背景:がん幹細胞 (CSC) は、発がん、再発、転移、治療抵抗性に重要な役割を果たすと考えられている。我々は、化学療法抵抗性と転移能を有するがん幹細胞様スフィア細胞 (CSLC) の誘導に成功した。CSLC に対する標的治療の開発を可能にするため、CSLC のこの表現型の原因となる遺伝子を同定した。
方法:ヒト肝がん細胞株SK-HEP-1 を用い、独自のスフィア誘導培地を用いてCSLCを誘導し、HuH-7 細胞を非スフィア形成細胞として同条件で使用した。RNA シーケンシングを行った後、定量的 RT-PCR とウェスタンブロッティングで検証した。ノックダウン (KD) 実験はCRISPR-Cas9 によるゲノム編集により行い、レスキュー実験は発現プラスミドベクターを用いて行った。細胞の化学療法抵抗性と肝転移は、MTS アッセイと細胞の重度免疫不全マウスへの脾臓注入後の解析で評価した。培地中のエクソソームの定量は、EL ISA 法を用いて行った。
結果: RAB3B は、RNA シーケンシングによりCSLC と予後不良の肝細胞がん (HCC)の両方で発現が増加している遺伝子として同定された。RAB3B-KD 細胞は、スフィア形成、化学療法抵抗性、転移能などのCSLC 表現型の変化を示し、これらはRAB3Bの相補化によって回復された。CSLC ではエクソソーム分泌の増加が観察されたが、RAB3B-KD 細胞では観察されなかった。また、RAB3B の発現は、ABCG2、APOE、LEPR、LXN、TSPAN13 の発現と相関していた。
結論:RAB3B のアップレギュレーションは、CSLC の化学療法抵抗性と転移能に重要な役割を担っている可能性がある。
Creators 恒富 亮一
Languages jpn
Resource Type doctoral thesis
File Version Version of Record
Access Rights open access