コンテンツメニュー

Intravenous injection of cyclophilin A realizes the transient and reversible opening of barrier of neural vasculature through basigin in endothelial cells

DT11101630_Abstract.pdf
[abstract] 673 KB
DT11101630_Fulltext.pdf
[fulltext] 1.08 MB
Title
Cyclophilin Aの静脈内投与は血管内皮細胞のBasiginを介して神経系血管バリアーの一過性かつ可逆的な開口を実現させる
Intravenous injection of cyclophilin A realizes the transient and reversible opening of barrier of neural vasculature through basigin in endothelial cells
Degree 博士(医学) Dissertation Number 医博甲第1630号 (2022-03-16)
Degree Grantors Yamaguchi University
[kakenhi]15501 grid.268397.1
Abstract
前身に投与された治療薬が脳組織実質に到達するには、神経組織の血管により形成される血液脳関門を通過する必要がある。そのため、組織への損傷を最小限に抑えて血液脳関門を開くことができれば、難治性神経疾患の治療法開発に大きな進展をもたらすことが期待される。本研究では、血液脳関門を形成する血管内皮細胞に発現するBasiginに着目し、その内因性リガンドであるCyclophilin A (CypA) を用いて、血液脳関門機能を人為的に制御することを目的とした。マウス脳血管内皮細胞株を用いたin vivo解析により、CypAの投与がBasiginを介して血液脳関門機能を低下させること、それにより脳実質へ効率的に薬物を送達できることを示した。単層培養された血管内皮細胞において、CypAはタイト結合構成分子の一つであるClaudin-5を一過性かつ可逆的に細胞膜から消失させて、バリアー機能を低下させることを見出した。また、マウスへのCypAの単回静脈内投与では血液脳関門が一定期間開いた後、自発的に元の状態へ回復することが示され、そしてその限定された機関において、全身投与された水溶性薬物Doxorubicinが脳組織実質へ送達されることが明らかとなった。本研究の結果は、CypAの静脈内投与によって、脳実質への薬物送達を自在にコントロールできることを示しており、難治性神経疾患に対する治療法確立に向けた重要な成果であると考えられる。
Creators 本田 成美
Languages jpn
Resource Type doctoral thesis
File Version Version of Record
Access Rights open access
Schools 大学院医学系研究科(医学)