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Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 1 - 11
published_at 2023-01-31
大学陸上競技選手と一般学生を対象として、多回旋跳びを段階的に増やした4週間の縄跳びトレーニングが伸張-短縮サイクル(SSC)運動遂行能力と走跳能力に及ぼす影響を検討した。陸上選手は通常のトレーニングのみ行わせる群と、それに加えて縄跳びトレーニングを行わせる群に分けた。縄跳びはできる限り短い接地時間で行わせた。縄跳びトレーニングによって、陸上選手では最大連続跳躍(RJ)の跳躍高/接地時間の値(RJ-index値)および走跳種目の記録に変化はなかったが、同じ縄跳びトレーニングを行わせた一般学生ではRJ-index値と立ち幅跳びの記録が向上した。個人値を用いた検討の結果、90回/分の1回旋跳びでは2回旋跳びに比べて接地時間は長い傾向があったが跳躍高は高く、RJ-index値は同程度であった。縄跳びトレーニングによって陸上選手では効果はないが、一般学生のSSC運動遂行能力は向上する可能性があること、また、リズムが約90回/分の短い接地時間での1回旋跳びは多回旋跳びとともにSSC運動遂行能力を高めるトレーニング手段となる可能性が示唆された。
Creators : Yasunaga Nao | Tan Nobusuke | Sone Ryoko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-24 15:59:34
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 13 - 19
published_at 2023-01-31
注視点の周辺文字量が文の理解度と読書速度に与える影響について検討した。視力をもとに実験参加者を2つの群に分けたところ、理解度テストの得点において、低視力者に比べ高視力者の得点が高くなった一方、読書速度においては視力による差が見られなかった。高視力者は理解度を高めるために読書速度を落としていた、あるいは、低視力者は読書速度を上げる代わりに理解度を低下させていたことが考えられる。また、読書量をもとに実験参加者を2つの群に分けたところ、画面に3~4行ずつ提示した文章では、読書量が少ない者は多い者に比べ、主観的な理解度を高く回答した。読書量が多い者はどの提示形態も同程度文字を捉えることができた。一方、読書量が少ない者は、画面全体に全文提示している文章では文字を的確に捉えることが難しいため、空白によって集中して文を読むことができた文章をより理解できたように感じたことが考えられる。
Creators : Makaya Fumuno | Ono Fuminori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-24 16:39:11
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 21 - 28
published_at 2023-01-31
本研究では、友人などの他者と一緒にいる状況ではなく自分一人でいる状況ですべての座席が空席であることを想定した場面を設定し、出入口の位置と教卓の有無を操作したうえで、座席選択の志向性が、出入口の位置と教卓の有無によって異なるか否か、また、座席選択の志向性とパーソナリティとの関連について、182名の協力者のもと、Web調査を行った。調査の結果、出入口の影響がある群の人数は教室よりも自習室の方が多く、出入口の影響がない群は自習室よりも教室の方が多かった。また、教室においては、出入口の影響なし群よりも出入口の影響あり群の方が、神経症傾向、視線による不安・恐怖が高い傾向にあることが示された。座席選択行動が、出入口の位置や教卓の有無といった部屋のつくりや用途の違いによって影響を受けること、その影響の度合いが選択者のパーソナリティによって異なる可能性が示唆された。
Creators : Yamauchi Hiroto | Takahashi Kyosuke | Ono Fuminori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-25 13:28:46
IEEE Access Volume 11 pp. 5062 - 5068
published_at 2023-01-10
Imitation is simple behavior which uses successful actions of others in order to deal with one’s own problems. Because success of imitation generally depends on whether profit of an imitating agent coincides with those of other agents or not, game theory is suitable for specifying situations where imitation can be successful. One of the concepts describing successfulness of imitation in repeated two-player symmetric games is unbeatability. For infinitely repeated two-player symmetric games, a necessary and sufficient condition for some imitation strategy to be unbeatable was specified. However, situations where imitation can be unbeatable in multi-player games are still not clear. In order to analyze successfulness of imitation in multi-player situations, here we introduce a class of totally symmetric games called unexploitable games, which is a natural extension of two-player symmetric games without exploitation cycles. We then prove that, for infinitely repeated unexploitable games, there exist unbeatable imitation strategies. Furthermore, we also prove that, for infinitely repeated non-trivial unexploitable games, there exist unbeatable zero-determinant strategies, which unilaterally enforce some relationships on payoffs of players. These claims are demonstrated in the public goods game, which is the simplest unexploitable game. These results show that there are situations where imitation is unbeatable even in multi-player games.
Creators : Ueda Masahiko Publishers : IEEE Updated At : 2023-01-25 14:24:23
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 29 - 33
published_at 2023-01-31
ある物体が人間の顔のように見える現象を顔パレイドリアと呼ぶ。本研究では、顔パレイドリアの表情認知に与える性格特性の影響を調べることを目的として調査を行った。調査協力者は、提示された顔パレイドリア画像と人間の顔画像に対し、5つの感情(幸福、悲しみ、驚き、怒り、嫌悪)をどの程度表しているかを評定した。その後、性格特性(BigFive、共感性)の質問紙に回答をした。調査の結果、人間の顔と比較して顔パレイドリアでは複数の表情認知をしやすく、性格特性のうち特に外向性と関連があることが分かった。さらに、外向性の低い人は驚き画像と怒り画像から幸福の表情を読み取りやすいことが示された。
Creators : Yanagihara Mako | Ono Fuminori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-25 14:58:08
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 35 - 41
published_at 2023-01-31
This study examined the influences of arousal of anticipatory regret by status quo bias on the suppression of hind sight bias. In this study, travel risk in situations of high risk of COVID-19 infection was considered a factor evoking anticipatory regrets, and population density in the area of residence was considered to affect subjective risk of infection for COVID-19. Considering that the experimental participants in this study were university students at a local university, three regions were selected as the evoked travel destinations: overseas countries, urban areas in Japan, and rural areas in Japan. The results of the bias analysis showed that anticipatory regret suppressed the hindsight bias in the overseas condition, while anticipatory regret promoted the hind-sight bias in the rural condition.
Creators : Kubo Minori | Okibayashi Yohei Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-25 15:39:24
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 43 - 51
published_at 2023-01-31
PCAGIP法は、事例提供者の提出した簡単な事例資料をもとに、ファシリテーターと参加者が協力して参加者の力を最大限に引き出し、その経験と知恵から事例提供者に役立つ新しい取り組みの方向や具体的ヒントを見いだしていくプロセスを学ぶグループ体験である。本研究では対面でのPCAGIP法を、可能な限りそのままのかたちでオンラインにて実施し、そのセッションの過程と参加者の感想から、オンラインPCAGIPならではの利点および問題点を検討し、その視点から改めてPCAGIP法の特徴について議論した。PCAGIP法はオンラインでも実施可能であり、多様な参加者を獲得できる可能性を有していること、今後は対面PCAGIPとオンラインPCAGIPの目的に応じた使い分けも有効といえるであろうこと、オンラインPCAGIPは身体性の欠如したテレプレゼンスを前提としており、それはもはやPCAGIP法そのものではないかもしれないこと等を論じた。
Creators : Oshie Takashi | Ishikawa Chikako | Iwano Hikaru | Hashiba Yuka | Sakai Kaho | Takahashi Kyosuke | Yanagihara Mako Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-26 10:26:43
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 53 - 59
published_at 2023-01-31
カルバート・スクールは米国メリーランド州ボルチモア郊外にある私立学校である。1905年、初代校長V.M.ヒルヤーは全日制小学校の経営難を克服するため、百日咳の流行を直接的な契機としてホームスクール事業に乗り出した。それは、全日制部門とホームスクール部門との間に互恵的な関係を作り出したうえで行われた事業の二極化展開であった。時代背景としては、当時、全米的に整備された郵便事業により、教材を郵送できるようになっていたことがあるが、それに加えて雑誌メディアの一般化によって、そこに広告を掲載することで、広く顧客(ホームスクーラー)を獲得することに成功している。ホームスクール事業に成功したヒルヤーは、後に学校理事会側にロイヤリティを求め、それを認められている。
Creators : Sasaki Tsukasa Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-26 11:21:45
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 61 - 66
published_at 2023-01-31
本研究の目的は、小学校通常の学級における児童の課題提出行動を対象に、相互依存型集団随伴性とトークンエコノミー法を組み合わせた介入とトークンエコノミー法の段階的なフェイディングを実施し、その効果を検討することであった。公立小学校5年生の通常の学級の児童(14名)を対象に、相互依存型集団随伴性とトークンエコノミー法を組み合わせた介入及び課題提出率のグラフフィードバックを行った。また、バックアップ強化子との交換基準や強化スケジュールの変更によるトークンエコノミー法のフェイディングを行った。介入の結果、児童の課題提出率が増加し、トークンエコノミー法をフェイディング及び撤去しても高い課題提出率が維持された。また、児童へのアンケート調査の結果、一定の社会的妥当性も示された。一方で、介入に伴う児童の負担感については課題が残された。
Creators : Arima Taisei | Miyaki Hideo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-26 14:14:35
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 67 - 76
published_at 2023-01-31
本研究の目的は、被観察場面で作業を行う際に、観察者が立つ位置を変えることによる、被観察者の不快感情の差異を調べること、また被観察者の性格特性や観察者との関係(知っている人・知らない人・親密性の程度)における関連、被観察者の体感時間との関連を調べることであった。実験では、観察者とお互い知っている人群21名、知らない群11名が参加し、正面、横、うしろの3つの位置から作文課題を行う様子が観察された。実験の結果、被観察者はうしろよりも正面と横から見られた方が不快感情得点は高くなった。また、知っている人群の中でも親密性低群よりも親密性高群の方が、不快感情は高くなった。これらの結果は、被観察場面での不快感情は、観察者が視界に入るか否か、また被観察者の自己呈示や評価懸念によって影響されるという事実から考察された。
Creators : Yamauchi Hiroto | Tanabe Toshiaki Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-26 14:50:13
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 77 - 93
published_at 2023-01-31
本研究は、教師が総合的な学習の時間(以降、「総合」と標記)における学びの様相を談話に着目して顕在化しながら、目指す姿の具現化に受けた授業改善の方向性を探る手がかりとなる、協働の質をとらえる視点を開発することを目的とする。本研究では、教室談話や会話のタイプ等に関わる先行研究、「総合」における協働を通して目指すゴールに関わる先行研究、『OECD Learning Compass Concept Notes』で示された主なコンピテンシー等を整理・分析し、「総合」における協働の質を「つながる」「共に見極める・創造する」という2つの視点からとらえていく必要があることを導出した。また、「総合」における「学びモデル」を子どもの姿で表し、その姿が具現化した教室談話を目指すべき最終段階として、本質的な協働に向かう談話を「第1段階目:無目的」「第2段階目:プレゼンテーション的」「第3段階目:協働的」「第4段階目:協働」として整理した。さらに、協働の質をとらえる2つの視点をそれぞれ具体化し、子どもの具体的な姿とともに提案した。
Creators : Fujikami Mayumi Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-26 15:46:20
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72
published_at 2023-01-31
Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-27 13:09:18
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 95 - 105
published_at 2023-01-31
本稿の目的は、植民地であったアジアの国が近代国家として独立し、国民形成をしていく過程の中で学校の音楽教育がはたしてきた役割を、シンガポールとインドネシアの事例の比較をとおして考察することである。近代とは常に更新されるものであり、よって19世紀後半に近代国家への転換をはかった日本と、20世紀後半に近代国家として独立したアジアの国々が取り入れた近代は同じものではない。本稿では、シンガポールとインドネシアに着目し、近代化と西洋化が同義であった時代に国民の音楽文化として西洋芸術音楽の普及をはかった日本と、文化相対主義の時代に国家となった両国の国民の音楽文化と音楽教育をめぐる認識と選択の違いを論じていく。
Creators : Ishii Yuri Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-27 14:19:21
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 107 - 116
published_at 2023-01-31
理論仮説を立て、実践して検証するという手法を取らず、実践の結果から省察することを中心とした本研究では、中学校社会科歴史的分野に掲げられている「現在とのつながり」に着目し、この文言の意味するところと学習展開の在り方を「当事者」「観察者」「評価者」の三視点を足掛かりにすることによって明らかにしようとした。その結果「現在とのつながり」には「存在としての現在」「問題としての現在」「ローカルな現在」「グローバルな現在」など様々な「つながり」の在り方があること、そしてそれぞれの「つながり」を基に学習展開を指導するには、上記三視点のうち「当事者」視点を基底に据え、発問や資料で「観察者」「評価者」の各視点へと展開してゆくことの有効性が浮上した。また、ここからさらなる実践を行った結果「当事者」視点の基底的重要性がより明らかになった。
Creators : Yoshikawa Yukio | Suemura Kazuya Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-27 15:06:59
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 117 - 126
published_at 2023-01-31
本学部社会科教育選修2年次を対象とした「社会科内容開発研究」において、附属中学校の2つの歴史授業を観察し、それぞれの授業から気付いた論点を抽出して発表し、討議する演習を実施した。この演習の成果を受けて、教職課程と社会科教育の今日的動向の中で、教育実習以前の学部段階における社会科教員養成に求められることは何か、について担当教員4名が考察した結果、以下の見解を得た。今日的状況の中で必要なことは、単に表面的にアクティヴな活動やICTを取り入れる等の学習形態を学ぶことではなく、その根底となる知の在り方、知的探求の在り方を問い直させ、社会や歴史の事象を資料に基づいて追究したり、社会や他者の伝える情報を適切に活用して解釈を共有する能力を形成してゆくことに求められる。
Creators : Yoshikawa Yukio | Tamoto Shoichi | Yamamoto Hajime | 森下 徹 Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-27 15:36:01
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 127 - 137
published_at 2023-01-31
「須磨」巻は源氏物語を読み解くための要所である。そのため本稿では2002年に制作された現代の源氏絵と高校教科書採録の「須磨の秋」原文を対照させながら対話的に読む授業提案を行う。須磨での光源氏の複雑な心情を表すために顔を二重像にし非現実的な表現で描かれた現代の源氏絵を見た学習者は、「なぜこのような描かれ方をしたのか」という「問い」を持ちながら原文を読みすすめていく。物語の転換点ともいえる「須磨」巻を、物語全編の中に位置付け、学習者の現在と関わらせて読む「場」を成立させるために、今回はあえて現代の源氏絵を用いた。「学習意欲が高まらない」ことが長年、高校古典授業の課題として指摘され続けている。そのため少しでも意欲的、主体的に読むための方法のひとつとして絵画と原文を対照させながら読むことを継続して提案している。また2022年度に看護学校と大学の教養教育で筆者自身が行った2度の授業を対象に、絵を用いることの有効性だけでなく、指導者の手立てと学習者の反応がどう関係するかについての分析考察を行った。これにより絵画を用いた古典授業の具体的な留意点、課題を明らかにした。
Creators : Bando Tomoko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-30 11:08:33
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 139 - 144
published_at 2023-01-31
本研究の目的は、小学校社会科の単元の中でKCJを用いた授業実践を行い、その教育的な効果について検証した。検証方法としては、「あなたは日本の工業を発展させるためにはどうすればよいと思いますか?」という問いに対する児童の答えをワークシートに記述させ、その回答内容が授業の前後でどのように変化したかテキストマイニングにより分析した。その結果、エキスパート活動・ジグソー活動の中で社会事象の特色や相互の関連、意味を多角的に捉え、考えることで児童の思考が変化し、日本の工業の発展を考える上で海外に日本の製品の良さや工業の技術の高さを「広める」ことや、労働環境を改善することが重要であるという認識が高まっていることがわかった。
Creators : Amago Tomoya | Nishijima Fumito | Nishio Koichiro Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-01-30 15:39:29
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 145 - 154
published_at 2023-01-31
本研究では「コイルのまき数を変えると電磁石の強さはどうなるかを調べる授業」の授業構成について検討し、2時間(45分×2回)の授業(授業①,授業②)を実践し、児童が支持する考え(予想を含む)に関する知見を得た。その結果、授業①を通して、回路に流れる電流について、学級内で児童が支持する考えに違いがある状況から、違いがない状況になり、すべての児童が「コイルのまき数を多くしても、回路に流れる電流の大きさは変わらない」という考えを支持するようになったことが明らかになった。また、授業①、授業②を通して、電磁石の強さについて、学級内で児童が支持する考えに違いがある状況から、違いがない状況になり、すべての児童が「コイルのまき数を多くすると、電磁石の強さは強くなる」という考えを支持するようになったことが明らかになった。その他、考えを支持する主な要因、授業①と授業②の終了時における支持する考えに対する自信の程度についても明らかになった。
Creators : Tsumori Narushi | Saiki Hideto Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-01 16:23:03
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 155 - 162
published_at 2023-01-31
明治期までの日本文化は、大陸文化の影響を受けながら徐々にその形を変えてきた。また、時代とともに残された作品の根底には日本人の価値観や精神が反映されており、今でもその美しさに共感することができる。そのような中、明治期の西欧化は、新しい価値観との出会いとともに、大きな変革をもたらした。日本の美術作品においては、新たな美術の文化を取り入れたことにより、融合した作品が生じた。一方、美術教育においては、西洋の価値や技術をそのまま取り入れた。そして、昭和52年の学習指導要領で「我が国の伝統文化」を導入することで、過去の日本美術のよさを改めて掘り起こすこととなった。グローバル化は様々なものが混ざり合うことによって均質化される側面がある。それは、科学技術の進歩とともに加速化している。明治期以降の美術と美術教育におけるグローバル化に視点をあてることで、日本の独自文化について改めて考察してみたい。
Creators : Adachi Naoyuki Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-02 10:52:36
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 163 - 172
published_at 2023-01-31
本研究は、幼児教育の質が問われる一方で、多くの園で保育についての話し合いや記録の時間の確保が難しく、経験に基づく知見が蓄積されにくいことをふまえ、どの園でも保育者が子どもの姿をもとに保育を振り返り、その保育を言語化する力を身につけていくための取り組みについて論考した。その結果、以下の取り組みを提案した。1.毎日短時間でも時間を確保し、保育の中で心に残ったこと、伝えたいことを話したり書いたりする。2.特に心に残ったエピソードも取り入れた記録を書く。3.エピソードをもとに話し合う機会も設ける。4.言語化が難しい部分は写真も活用する。5.話し合いや記録にSOAPの視点を取り入れ、子どもの姿から経験を読み取り、次に必要な経験を考える思考過程を身につける。5.ALACTモデルによる省察で用いられる「問い」を活用し、保育について子どもの側からも丁寧に振り返り、「子どもにとってどうか」という視点から言語化が促されるようにする。
Creators : Nakashima Hisako Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-02 14:52:04
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 173 - 182
published_at 2023-01-31
本研究では、特別支援学校小学部に在籍するダウン症児童1名を対象とし、攻撃行動及び恐怖感や不快感を与える言語行動を減少させ、穏やかな言語行動と黙って見守る行動がより生起(増加)するように、長期研修派遣教員と行動コンサルテーションを実施し、その効果等について検討することを目的とした。攻撃行動等に関するアセスメントの後、介入では、分かりやすく端的な説明、活動場所の明示等の事前対応の工夫、モデル提示等を含む代替行動への対応、環境設定の変更、さらには保護者への複数の配慮と工夫等を行った。その結果、攻撃行動等は減少し、穏やかな言語行動等は増加した。このような結果をもたらした要因として、第1著者による直接行動観察に基づく行動問題の機能同定が必要であったこと、ダウン症の特性を活かした介入手続きが有効であったこと、保護者が家庭で実践するための再現可能な手続き等に関する情報を盛り込んだことが有効であったことが示された。
Creators : Tatsuta Riho | Matsuoka Katsuhiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-02 16:50:52
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 183 - 188
published_at 2023-01-31
本研究では、特別支援学校小学部の算数科の個別学習において、自閉スペクトラム症を伴う知的障害のある児童を対象に「少し多く」支払うスキルの形成に向けた指導を行い、その効果を検討することを目的とした。特別支援学校小学部6年生男児1名を対象に、所持金と請求額を比較したときの条件で4つの課題を設定し、補助シートを用いて指導を行った。指導の結果、対象児の「少し多く」支払うスキルが形成された。特に、「〇×〇」(100円玉と1円玉は足りるが、10円玉は足りない)課題や「○○×」(100円玉と10円玉は足りるが、1円玉は足りない)課題においては、補助シートの使用によって正反応率が上昇し、補助シートを撤去した後や所持金を変更した後も正反応率は維持された。一方で、支払いスキルの流暢性や般化、および社会的妥当性の評価については課題が残された。
Creators : Yoshida Nanako | Miyaki Hideo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-03 11:16:11
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 189 - 197
published_at 2023-01-31
「各教科等を合わせた指導(生活単元学習及び作業学習)」に関する校内研修を実施し、Y大学教育学部附属特別支援学校教員の理解力と指導力の更なる向上を目指した。多忙感を有する教員に身体的・精神的負担を生じさせぬ校内研修にするため、研修はおおよそ月2回(1回約50分間)の開催とし、レジュメを用いつつ、発表(輪番)→協議の順で進めた。発表内容は「各教科等を合わせた指導」に関する文献(論説、実践報告等)である。参加教員は自由意思による7名。研修は計9回(2021.1~2021.6)。変容の有無を客観的に把握するため、(1)山口県教員育成指標(2018)を、知的障害教育の伝統的な指導形態である「各教科等を合わせた指導」の視点から加筆修正して作成した新育成指標に基づく調査、(2)ウェビング・マップに基づく調査、(3)自由記述に基づく調査の三種を実施した。対象教員が7名という少数であるため、確定的なことは言えないが、7名全員に校内研修による変容を見て取ることができた。
Creators : Matsuda Nobuo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-03 16:44:37
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 199 - 206
published_at 2023-01-31
本研究では、特別支援学校の重度・重複障害学級の卒業生の保護者4名を対象に、卒業後のわが子の実態の変容、在学時にわが子と学校に抱いていた思い、現在に活かされている学び等について聞き取り調査を行った。保護者は卒業後のわが子の状態が安定していることに安堵する一方で、在学時とは異なり目標がなくなったことに物足りなさを感じていたり、卒業後の体調面の悪化を想定しきれなかったことに後悔の念を抱いたりしていた。わが子が健康で楽しく学校生活を送ることを第一に願う点は共通していたが、重度の障害のあるわが子に教科学習や新たなことができるようになることを諦めている者がいた。在学時の教育活動を肯定的に評価する一方で、卒業後の生活環境の制約や介護上の負担から在学時の取組の継続が困難であること、移行先への引継ぎの不十分さを指摘した事例が認められた。これらの課題を踏まえて、重度・重複障害のある子どもへの教育について考察した。
Creators : Kai Natsu | Yanagisawa Akiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-06 11:10:40
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72 pp. 207 - 211
published_at 2023-01-31
近年、数式処理の研究分野で注目されているQuantifier Eliminationは応用範囲が広く、様々な分野への応用が可能と言われている。実際、国立情報学研究所が中心となって実施された「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトでは、数学の問題解法にQuantifier Eliminationが活用され、その有効性が確認された。プログラミング教育が必修の小・中学校・高等学校ではIT技術の活用が求められており、小・中学校・高等学校の教員を目指す学生がこのQuantifier Eliminationについて学ぶことは意義が大きいと考えられる。そこで教員を目指す学生の授業の一部において、数学の大学入試問題をQuantifier Eliminationを用いて解くことにより命題論理の演習を実施したので、その経過と結果を報告する。
Creators : Kitamoto Takuya Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University Updated At : 2023-02-06 11:34:22