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Soluble Interleukin-2 receptor index predicts outcomes after cord blood transplantation

DT11101636_Abstract.pdf
[abstract] 648 KB
DT11101636_Fulltext.pdf
[fulltext] 2.33 MB
Title
可溶性インターロイキン-2受容体インデックスは臍帯血移植の予後を予測する
Soluble Interleukin-2 receptor index predicts outcomes after cord blood transplantation
Degree 博士(医学) Dissertation Number 医博甲第1636号 (2022-03-16)
Degree Grantors Yamaguchi University
[kakenhi]15501 grid.268397.1
Abstract
背景と目的:同種造血幹細胞移植ではgraft-versus-leukemia (GVL) 効果と呼ばれる抗腫瘍免疫を適切に誘導することが成績向上の鍵となる。しかしGVL効果の増強は移植片対宿主病の重症化にも繋がるため、 同種免疫応答の指標となるバイオマーカーの開発が望まれる。我々は以前、移植処置の前と好中球生着時の血清可溶性インターロイキン-2受容体の比である「sIL-2R index」を定義し、骨髄移植における移植片対宿主病の発症予測マーカーとして有用であることを示した。しかし、骨髄移植とは異なる免疫特性を有する臍帯血移植ではsIL-2R indexも異なる挙動を示す可能性があり、臍帯血移植におけるsIL-2R indexの有用性を検討した。
対象と方法:当院で初回同種造血幹細胞移植として臍帯血を施行した31症例を対象とした。sIL-2R indexを算出し、患者背景や移植成績との関連を後方視的に解析した。
結果:移植後3年の再発率は、sIL-2R index 3.7以上の群で有意に低下した(12.8% vs 50.0%; p = 0.04)。それに伴い移植後3年の全生存率はsIL-2R index 3.7以上の群で有意に良好であった(79.8% vs 20.0%; p < 0.01)。sIL-2R indexには移植後1日目から好中球生着日までの累積ステロイド投与量が影響しており、ステロイドの使用理由は生着前免疫反応に対する治療であった。なお骨髄移植とは異なり、臍帯血移植ではsIL-2R indexと急性移植片対宿主病の発症率との有意な関連性は認めなかった。
結語:sIL-2R indexは臍帯血移植後の予後予測マーカーになり得る。sIL-2R indexはGVL効果を反映する可能性があるが、更なる検証が必要である。
Creators 梶邑 泰子
Languages jpn
Resource Type doctoral thesis
File Version Version of Record
Access Rights open access