A radiographic and physical analysis of factors affecting seat belt position in sitting car seat.
Title
カーシート座位時のシートベルト位置に影響を及ぼす身体的・X線学的所見に関する検討
A radiographic and physical analysis of factors affecting seat belt position in sitting car seat.
Degree
博士(医学)
Dissertation Number
医博甲第1670号
(2023-03-16)
Degree Grantors
Yamaguchi University
[kakenhi]15501
grid.268397.1
Abstract
自動車事故に際しシートベルトに沿って生じる帯状の皮下出血斑はシートベルト兆候(seat belt sign:SBS)と呼ばれている。特に腹部SBS が上前腸骨棘(anterior superior iliac spine:ASIS)よりも上方に位置する場合、腹部臓器損傷の危険性が高い。本研究の目的は、腹部SBS 位置に関連するシートベルト腹部部分(ラップベルト)の位置に影響を与える因子について解析することである。本研究は、健康な成人100名(男性50名、女性50名)の身体所見と、カーシート座位時のラップベルト位置との関係を前向きに検討したものである。身体所見は、年齢、身長、Body Mass Index(BMI)、腹囲を測定した。それぞれ平均年齢37.9歳、平均身長164.9cm、平均BMI 23.9kg/m2、平均腹囲83.4cmであった。X線学的所見は、腰椎前弯(lumbar lordosis:LL)、仙骨傾斜(sacral slope:SS)を測定し、ラップベルト位置は運転席側のラップベルトの中央とASIS相当の位置に鉛テープでマーキングすることで計測した。側面X線撮影を行い、ASISから中央マーカーまでの水平距離(X値)、垂直距離(Z値)を計測した。ラップベルト角度は、2つのマーカーの上端を結ぶ直線と水平線とのなす角度を計測することで求めた。これらの身体所見とX線学的所見との関係を統計学的に解析した。X値とZ値は体重(X値r = 0.73、Z値r = 0.56)、BMI(X値r = 0.77、Z値r = 0.56)、腹囲(X値r = 0.74、Z値r = 0.52)と正の相関があり、ラップベルト角度は体重(r = -0.33)、BMI(r = -0.35)、腹囲(r = -0.37)と負の相関があった。これらの結果からは、BMIの高い乗員ではラップベルトがASISより高い位置にあるため、シートベルト損傷を引き起こす可能性が高い。この解析は、より安全なシートベルトの開発に役立つと思われる。
Creators
山縣 大樹
Languages
jpn
Resource Type
doctoral thesis
File Version
Version of Record
Access Rights
open access
Funding Refs
マツダ株式会社
Award