Echocardiographic features of acute-phase microscopic polyangiitis in Japanese patients : a single-centre retrospective study
Title
日本人の急性期顕微鏡的多発血管炎患者における心臓超音波検査での指標の特徴 : 単一施設後ろ向き研究
Echocardiographic features of acute-phase microscopic polyangiitis in Japanese patients : a single-centre retrospective study
Degree
博士(医学)
Dissertation Number
医博甲第1633号
(2022-03-16)
Degree Grantors
Yamaguchi University
[kakenhi]15501
grid.268397.1
Abstract
背景:顕微鏡的多発血管炎 (MPA) は全身臓器が障害される疾患である。しかしながら、MPA患者における心臓超音波検査(心エコー図検査)における指標の特徴については不明な点が多い。
目的:本研究は、単施設後ろ向き研究で、ステロイド療法の新規導入または再導入後2週間以内に心エコーを行ったMPA患者15名を対象とし、その心エコー所見の特徴について検討することを研究の目的とした。30人の年齢・性別をマッチさせた心疾患のないコントロール群と比較検討した。
方法と結果:左室径、左室駆出率、拡張早期僧帽弁輪最大移動速度 (e’) に2群間で有意差は認めなかった。一方、MPA群では左房径、左房容積係数が有意に高く、左室流入血流速波形 (TMF) の早期拡張期充満速度(E波)と肺静脈流入拡張期血流速度 (D波) の高さ、三尖弁における収縮期右室-右房最大圧較差も有意に高く、TMFのE波の減速時間 (DCT) は短縮していた。血清CRPはTMFのE波高、E/A比およびDCTと相関が見られた。今回の研究では、MPA患者におけるe’の有意な低下がみられなかったことから、左室弛緩能の低下よりはむしろ左室スティフネスの上昇によって左室拡張機能低下が生じ、結果として左房拡大が生じている可能性が示唆された。
結語:急性期MPA患者では左室拡張機能低下によると考えられる左房拡大を生じていた。MPA患者、特に強い炎症反応を伴う患者では、心機能評価を行うことが重要であることが示唆された。
目的:本研究は、単施設後ろ向き研究で、ステロイド療法の新規導入または再導入後2週間以内に心エコーを行ったMPA患者15名を対象とし、その心エコー所見の特徴について検討することを研究の目的とした。30人の年齢・性別をマッチさせた心疾患のないコントロール群と比較検討した。
方法と結果:左室径、左室駆出率、拡張早期僧帽弁輪最大移動速度 (e’) に2群間で有意差は認めなかった。一方、MPA群では左房径、左房容積係数が有意に高く、左室流入血流速波形 (TMF) の早期拡張期充満速度(E波)と肺静脈流入拡張期血流速度 (D波) の高さ、三尖弁における収縮期右室-右房最大圧較差も有意に高く、TMFのE波の減速時間 (DCT) は短縮していた。血清CRPはTMFのE波高、E/A比およびDCTと相関が見られた。今回の研究では、MPA患者におけるe’の有意な低下がみられなかったことから、左室弛緩能の低下よりはむしろ左室スティフネスの上昇によって左室拡張機能低下が生じ、結果として左房拡大が生じている可能性が示唆された。
結語:急性期MPA患者では左室拡張機能低下によると考えられる左房拡大を生じていた。MPA患者、特に強い炎症反応を伴う患者では、心機能評価を行うことが重要であることが示唆された。
Creators
木下 奈津
Languages
jpn
Resource Type
doctoral thesis
File Version
Version of Record
Access Rights
open access
Schools
大学院医学系研究科(医学)