Novel bone microenvironment model of castration-resistant prostate cancer with chitosan fiber matrix and osteoblasts
Title
キトサンナノ繊維細胞培養基材を用いた、新規の去勢抵抗性前立腺癌骨微小環境モデルの作成
Novel bone microenvironment model of castration-resistant prostate cancer with chitosan fiber matrix and osteoblasts
Degree
博士(医学)
Dissertation Number
医博甲第1642号
(2022-03-16)
Degree Grantors
Yamaguchi University
[kakenhi]15501
grid.268397.1
Abstract
前立腺癌細胞と骨芽細胞の相互作用は、前立腺癌骨転移の発生に不可欠である。近年、新規のアンドロゲン受容体標的薬(ARAT)が、転移性去勢未治療前立腺癌(mCNPC)や非転移性去勢抵抗性前立腺癌(nmCRPC)に対して承認されているが、これらの薬剤と骨微小環境や腫瘍との関係を調べることは極めて重要である。今回、我々は去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の骨微小環境を模倣した新規のin vitro 3次元微小環境モデルを確立し、アンドロゲン受容体標的薬の薬剤感受性と、アビラテロンとデュタステリドの併用療法の有効性を評価した。キトサンナノ繊維で表面をコートした細胞培養基材を用いて、GFPを導入したC4-2細胞(CRPC細胞株)とRFPを導入したヒト骨髄由来間葉系幹細胞から分化した骨芽細胞を共培養し、去勢抵抗性前立腺癌の骨微小環境を模倣した。骨芽細胞とC4-2細胞の増殖はCell3 iMager duos(SCREEN)を用いて生細胞のまま解析し、骨芽細胞を維持したまま、最大30日間C4-2細胞の持続的な増殖を観察できた。また、骨芽細胞と共培養したC4-2細胞では、TGF-βの発現が増加し、上皮間葉転換(EMT)が促進されたことから、アンドロゲン受容体標的薬に対する抵抗性が示された。このモデルを用いて、各薬剤のIC50と、アビラテロンとデュタステリドの併用効果を評価した。アビラテロンとデュタステリドの併用療法は、それぞれの単剤投与と比較して、C4-2細胞の増殖を相乗的に抑制し、これは、ARアゴニストである3-keto-5α-abirateroneの減少によるものと考えられた。我々の新規骨微小環境モデルは、前立腺癌の薬剤感受性の評価に有用であり、今後このモデルは、前立腺癌の微小な骨転移から臨床的な骨転移に至るまでの未知のメカニズムの解析に役立つ可能性がある。
Creators
佐本 征弘
Languages
jpn
Resource Type
doctoral thesis
File Version
Version of Record
Access Rights
open access