Journal of higher education

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Journal of higher education Volume 13
published_at 2016-03

From the action for disabilities to the action for everyone : Management of hearing disability as life risk management and effect on motive for learning sign language

生活リスクマネジメントの観点から考える「障害者差別解消法」対策 : 聴力障害対策としての手話学習の動機づけ要因を例に
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平成28年4月より施行される「障害者差別解消法」への対応が求められている. 確かに,障害者への差別の解消のためには,まずは障害者に対する「合理的配慮」を適正に実施することが重要である. しかし,これを「障害者」とされる一部の人のためだけの対策であり,自分たちのための対策ではないと捉えられてしまうと,この法の趣旨を全うするのは困難である.そうではなく,あらゆる人に,自らもこの問題の当事者であると意識してもらうことが大切である.それには,例えば「障害」への「対策」を,「障害をもつリスク」もしくは「生活リスク」への「対策」たるリスクマネジメントとして捉えなおせば,すべてのひとが「障害をもつ可能性のある当事者」としての意識をもてるであろう. 更に,リスクマネジメントは見方をかえればチャンスマネジメントでもあり,リスク回避的なバリアフリー的対応だけではなく,リスクをチャンスに変えるユニバーサルデザイン的なより積極的で生産的な対応にも結びつきやすい. その取り組みの可能性の一例として,聴力障害リスク対策のユニバーサルデザインとしての手話普及(「一億人の手話」)を仮想し,その実現のための手話学習の動機づけ要因についての予備調査を行った. その結果,自らの聴力障害リスク,短期間での手話習得,英語学習等への好影響,現在または将来の仕事への好影響といった想定条件のいずれを意識することによっても手話学習の動機づけレベルが上昇することが示唆された.
Creator Keywords
障害者差別解消法
聴覚障害
生活リスクマネジメント
リスクアセスメント義務化
ユニバーサルデザイン