Journal of East Asian studies

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Journal of East Asian studies Volume 3
published_at 2004-12

The opening of Korea to Japanese popular culture

韓国における日本大衆文化開放
Lee Hyun Young
Descriptions
韓国では日本の植民地時代以後、低質文化、日本文化帝国主義、国民の反対を理由に日本大衆文化開放を拒んできたが、1998年金大中政権に入って日本大衆文化を解放するに至った。近年、韓国の日本大衆文化開放に関する研究はなされてはいるが、主に解放に至った背景を扱っており、日本大衆文化開放政策という外交政策の観点からの研究はなされていない。本論文では日本大衆文化開放を一つの外交政策と捉え、その政策実現過程を分析する。その方法として、事案の再定義、裏面補償、参加拡大などの国内交渉戦略の概念を適用する。本論文の結論は次のとおりである。日本大衆文化開放政策が実現するにあたり重要であった要因は、金大中政権が日本大衆文化開放政策の事案を再定義したことであり、金政権はそれまで国民の間で日本による文化植民地化として捉えられていた大衆文化解放政策を日本の大衆文化市場への進出という形で再定義した。これはそれまで分配的事案であった日本大衆文化開放政策を総合的事案に再定義したことを意味する。この再定義によって、裏面補償が可能になり、また公論化が可能になることで賛成勢力の参加の拡大が可能になった。このような政策過程を経ることで日本大衆文化開放政策は大きな混乱なく実施されたのである。