山口医学

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山口医学 Volume 54 Issue 2-3
published_at 2005-06-30

A case of giant infected liver cyst

巨大感染性肝嚢胞の一例
Takenaka Hiroaki
Hayashi Masanori
Onoda Masahiko
Morita Nobuyoshi
fulltext
1.15 MB
B030054000202.pdf
Descriptions
症例は56歳, 女性.前日よりの腹痛を主訴に当院を受診し, 肝嚢胞の診断で入院となった.入院後より38℃台の発熱が出現し, 白血球数・CRPの上昇を認めた.腹部CT・MRIより最大径21cmの巨大な感染性肝嚢胞と診断された.経皮経肝ドレナージが困難であり, 手術目的で当科転科となった.転科後も炎症所見と腹部緊満が急激に増悪したため, 緊急手術を施行した.開腹すると肝嚢胞は臍直上まで及んでいた.開窓術を行い, 胆汁の漏出部を縫合閉鎖した.肝中央に巨大な欠損腔が出来たため, 元来の形状となるように肝実質を縫合形成した.内容液の細菌培養は陰性であった.術後経過は良好で, 術後21日目に退院した.術後4ヶ月目には, 肝は良好な形態を呈した.感染性肝嚢胞と診断されてドレナージが困難な場合は, 速やかに手術を行うべきである.また, 開窓術後の著明な変形が危惧される場合には, 縫合形成も考慮されるべきである.
Creator Keywords
感染性肝嚢胞
開窓術
Rights
本文データは山口大学医学会の許諾に基づきCiNiiから複製したものである