山口医学

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山口医学 Volume 52 Issue 3
published_at 2003-06-30

A Case of Thoracoscopic Surgery in Combination with Small Thoracotomy for spontaneous hemopneumothorax with hemorrhagic shock

小開胸併用胸腔鏡下手術により救命できた出血性ショックを伴う特発性血気胸の1例
Yoshimoto Yasunori
Shimizu Ryoichi
Saeki Toshihiro
Harada Toshio
Maeda Yoshinari
Soejima Yoshiyuki
fulltext
979 KB
B030052000306.pdf
Descriptions
症例は18歳の男性.胸痛,呼吸困難で発症し,症状が増悪したため救急車で搬入された.諸検査にて血気胸と判明し,12Fr.の胸腔ドレーンを留置,血性胸水および空気の持続吸引を開始した.その後呼吸困難が増悪し,ドレナージが不十分と判断,20Fr.の胸腔ドレーンに入れ替えた.しかし,胸腔ドレーンによる排液効果が一向にあがらず,胸部CT検査にて血腫の増量が認められた.血液検査上貧血が進行し,血圧も徐々に低下したため,緊急手術を施行した.小開胸すると,胸腔内には約1800mlの凝血塊が認められた.出血点を確認するため小開胸創より胸腔鏡を挿入したところ,ブラが癒着していたと考えられる肺尖の壁側胸膜の索状物よりの出血点が確認できた.これを電気メスを用いて凝固止血した後,ブラを切除した.術後経過は良好であった.大量の血腫を伴い,出血性ショックに陥った特発性血気胸症例に対し,緊急の小開胸併用胸腔鏡下手術が奏功し,良好な経過が得られた1例を経験したので報告した.
Creator Keywords
特発性血気胸
小開胸術
胸腔鏡下手術
Rights
本文データは山口大学医学会の許諾に基づきCiNiiから複製したものである