山口医学

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山口医学 Volume 12 Issue 1
published_at 1963-03

Electron Microscopic Observation on Uriniferous Tubules of the Kidney of Scaeops grandisquama

硬骨魚ほしだるまがれい(Scaeops grandisquama)の腎尿細管の電子顕微鏡的観察
Kobayashi Kazuhiro
Descriptions
1)硬骨魚ほしだるまがれい(Scaeops grandisquama)が鹿児島県奄美大島古仁屋町沖1哩のところで採集された。2)腎は脊椎骨の両側に位し、皮質及び髄質の区別なく、不規則な細尿管の集合にすぎない。集合管は認められる。3)間質には、著名な造血巣が見られ、これは淋巴球様細胞である。4)硬骨魚ホシダルマガレイの尿細管の上皮細胞には、糸粒体、ゴルヂ野、空胞の外に基底部細胞膜嵌入が認められる。5)尿細管上皮細胞にmicrovilliが認められるが、哺乳動物のそれに対して密でない。又線毛も認められる。6)尿細管の上皮細胞の中には、原形質が腔内に突出している細胞が認められる。この細胞のmicrovilliは隣の細胞のmicrovilliより太く長い。7)淋巴様細胞の電顕像は極めて簡素である。核質は均質性で密度が高い。ミトコンドリアは中心域周辺に多く、小胞体は少ない。