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Dendritic cells mediate the anti-inflammatory action of omega-3 long-chain polyunsaturated fatty acids in experimental autoimmune uveitis

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DT11101652_Fulltext.pdf
[fulltext] 1.17 MB
Title
樹状細胞による、実験的自己免疫性ぶどう膜炎におけるオメガ-3長鎖多価不飽和脂肪酸の抗炎症作用についての研究
Dendritic cells mediate the anti-inflammatory action of omega-3 long-chain polyunsaturated fatty acids in experimental autoimmune uveitis
Degree 博士(医学) Dissertation Number 医博甲第1652号 (2022-03-16)
Degree Grantors Yamaguchi University
[kakenhi]15501 grid.268397.1
Abstract
オメガ3長鎖多価不飽和脂肪酸(ω-3)は海産魚や魚油に含まれる必須脂肪酸で、抗炎症効果を有することから非感染性ぶどう膜炎の有効な治療になる可能性がある。多くのぶどう膜炎でみられる獲得免疫による炎症反応は、樹状細胞(DC)、マクロファージ、およびBリンパ球を含む抗原提示細胞(APC)による抗原提示から開始され、炎症のトリガーとして重要である。これまでに我々はω-3長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)が、実験的自己免疫性ぶどう膜炎モデル(EAU)の眼炎症を抑制することを示した。今回、ω-3によるEAUの抗炎症効果に対する APCの関与を検討し、その作用機構について解析した。
C57BL/6マウスに等カロリーに調整したω-3もしくはω-6を含有した餌で給餌し、安楽死後に回収した脾臓細胞をマイトマイシンC処理してAPCを調整した。これらをEAU誘導したマウスから単離したCD4陽性T細胞と共培養し、種々の炎症性サイトカインの発現量および3H-チミジン取り込み量を指標とした増殖能を評価した。次にω-3群のAPCをDC、マクロファージ、B細胞を含む残りの細胞群(B細胞他)に分離し、ω-3の炎症作用を担当する細胞を探索した。続いて、ω-3で賦活化したDCによる抗炎症効果を検討するため、ω-3群のDCを単離し、EAUを誘導したマウスにAdoptive transfer(養子細胞移植)し、臨床および組織学的スコアを評価した。最後にω-3がDCに直接作用して抗炎症効果を発揮するか否かを検討した。 C57BL/6由来DCとBALB/c由来CD4陽性T細胞を混合培養して混合リンパ球反応MLR(mixed lymphocyte reaction)を誘導した培養系に、代表的なω-3脂肪酸であるDHAおよびEPAを投与し、T細胞増殖能を評価した。
ω-3群のAPCは、ω-6群に比較してIFN-γ、IL-17の発現量およびT細胞増殖能を有意に低下した。その抗炎症効果はAPCから単離したマクロファージやB細胞他ではみられず、DCのみで保存された。さらに、ω-3群のDCをAdoptive transferしたEAUマウスでは、炎症スコアが有意に低下した。DHA・EPAで賦活化したDCはMLRによるT細胞増殖能を有意に抑制した。
以上より、ω-3の経口摂取によるEAUの眼炎症抑制効果は、APC、特にDCを介在して発揮されることが示された。
Creators 内 翔平
Languages jpn
Resource Type doctoral thesis
File Version Version of Record
Access Rights open access